セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

その他1

タイトル 消P-767:

電話相談で「消化器症状」の緊急度を判断する試み-東京消防庁救急相談センターからの報告

演者 石川 秀樹(東京都医師会救急委員会救急相談センター運用部会)
共同演者 石原 哲(東京都医師会救急委員会救急相談センター運用部会DELIMITER東京消防庁救急相談センター運営協議会), 泉 裕之(東京都医師会救急委員会救急相談センター運用部会), 森村 尚登(東京都医師会救急委員会救急相談センター運用部会DELIMITER東京消防庁救急相談センター運営協議会), 有賀 徹(東京消防庁救急相談センター運営協議会), 坂本 哲也(東京消防庁救急相談センター運営協議会)
抄録 【緒言】東京消防庁救急相談センター(以下センター)は、2007年6月の開設以来、都民が傷病の緊急性を判断するにあたり24時間365日電話で相談に応じ、受診の緊急度判断・症状に応じた口頭指導・受診科目や医療機関情報を提供している。今回は「消化器症状」を理由とする相談例について分析した。【運営】通信員が電話を振り分け、看護師が相談に応じ、交代で常駐する医師が補う体制だが、相談結果の質を担保し均霑化を図るため、予めプロトコール103項目を用意、うち「消化器症状」には「腹痛」「便秘」「下痢」「嘔吐」(いずれも成人・小児で別)と「胸焼け」の5種9項目がある。【結果】2010年1~12月の全受付電話件数292,882件、うち相談件数66,749件22.8%。このうち60,601件90.8%にプロトコールを用いて対応し、11,423件を「消化器症状」に関する相談が占めた。中でも腹痛(成人)の相談は3,324件4.8%に、嘔吐(小児)の相談は2,944件4.3%にのぼり、センターに寄せられる相談内容の第3位と第4位に位置した。開設以来2年間の分析では、「消化器症状」中最多である腹痛(成人)の相談の20.7%を「赤(救急搬送が妥当)」、65.8%を「橙(即時自力受診が妥当)」、5.7%を「黄(早めの受診が妥当)」と判断し、救急搬送670件中234件34.9%が搬送先医療機関で入院適応と判断された。「赤」と判断する際の主な根拠は「急な激痛の継続」「下血・血便の合併」「腹痛の増強」であった。受診時診断では、結石など尿路系疾患34例、切迫早産など婦人科系疾患17例のほか、狭心症1例が含まれた。【考察】センターにおける「消化器疾患」に関する相談は成人・小児とも高頻度であるが、用意されたプロトコールに従うことで、電話という制約の中で概ね適切に緊急度判断を行えている。
索引用語 電話トリアージ, メディカルコントロール