セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

その他1

タイトル 消P-768:

企業病院におけるがん検診としての内視鏡検査の有効性に関する検討

演者 金 英植(三菱神戸病院・外科)
共同演者 斎藤 正樹(三菱神戸病院・外科), 橋本 可成(三菱神戸病院・消化器科), 前田 暁行(三菱神戸病院・外科), 渡瀬 庸子(三菱神戸病院・外科), 鄭 充康(三菱神戸病院・外科), 松田 耕作(三菱神戸病院・内科), 北澤 勇人(三菱神戸病院・内科), 貫名 英之(三菱神戸病院・内科), 籾山 卓哉(三菱神戸病院・健康診断センター)
抄録 【目的】当院は定期健康診断で希望者に上部消化管内視鏡を併施している。今回検診者を対象とし内視鏡検診の有効性について検討した。【方法】2008年1月から2010年12月までの上部消化管内視鏡検査7016件(男性4655件、女性2361件)のうち、摘出標本にて診断しえた上皮性悪性腫瘍症例について、その治療内容と根治性、過去の内視鏡所見との比較検討を行った。【結果】食道高度異型上皮1例、食道癌6例(内視鏡治療1例、外科治療3例、詳細不明1例)、胃腺腫3例、胃癌15例(内視鏡治療4例、外科治療10例、化学療法1例)。(1)食道癌はすべて表在型で詳細不明例(他院でESDを考慮)以外は治癒切除できた。外科治療例は1例のみリンパ節転移陽性で術後補助化学療法を施行されていた。うち5例は前年も受検していたが病変は指摘できず2例はルゴール染色で診断しえた。(2)胃癌は化学療法施行例(印環細胞癌(以下sig), cT3N3H1P1 stage4)を除きすべて表在型で、深達度はM6例、SM6例、MP2例で病期分類はStageIA11例、StageIB3例であった。内視鏡治療4例はすべてStageIAで追加手術例はなく、外科手術例はすべて根治度A で10例中5例がsig、うち1例がリンパ節転移陽性であった。胃癌での前年受検者は5例、1例は同部位の潰瘍瘢痕からの生検はGroupIでmalignant cycleと考えられた。外科手術症例のうち1例(sig)は2年前の検診でも病変を指摘できたが生検は施行されていなかった。【結論】食道癌5例中前年受検者3例が手術適応となり1例はルゴール染色でのみ診断できた。胃癌15例では前年受検者5例中3例が手術適応となり1例(sig m癌)は前年には所見を認めなかった。内視鏡検診にて診断された食道癌・胃癌患者はstage4の1例(受検3か月前より有症状)を除きすべて根治術が施行されており、受診間隔は年一回が妥当で特に食道はルゴール染色やNBIなどの積極的な探索が必要と考えられた。
索引用語 がん検診, 内視鏡