セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
その他2
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タイトル |
消P-773:小規模急性期病院における在宅緩和ケアの導入における問題点
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演者 |
遠藤 光史(東京医大・3外科DELIMITER仁和会総合病院DELIMITER金沢文庫病院) |
共同演者 |
土田 明彦(東京医大・3外科), 青木 利明(東京医大・3外科DELIMITER仁和会総合病院), 森山 浩(金沢文庫病院), 青木 達哉(東京医大・3外科) |
抄録 |
がん対策基本法が施行され、施設や在宅での緩和ケア医療の充実が図られている。しかし、小規模な急性期病院においては、人員不足などのため、在宅を含めて緩和ケア医療が十分に行われているとは言いがたい。けれども今後終末期がん患者が増加していく中で、小規模病院の役割を増すことを考慮し、現状での問題点などを考察した。当院では2009年より外科医師1名、訪問看護師1名によって、在宅での終末期がん患者の診療を開始した。方法は、月1回往診を行い、希望があれば、なるべく在宅での看取りを行った。開始から1年間で9名の患者に診療を行い、4名が在宅での看取りとなった。ただし、このような小規模の急性期病院において、在宅緩和医療を行っていく中での問題点ある。それは、専従できるスタッフがいないため、専門的な知識・ケアが不足しやすく、外来・手術などの在宅医療以外の業務に忙殺されてしまい、十分な時間を在宅医療に向けにくいことなどがあげる。しかし、小規模な組織である利点も考えられる。一つは、在宅医療チームが院内のスタッフで構成されているため、患者の情報の共有が容易となり,スタッフ間の連携もスムースに行える。二つ目は緊急時の後方ベッドが常に確保されており、急変時の対応が迅速に行える。三つめは検査、手術、抗がん剤、緩和治療など、がんに関る治療をほぼ同じスタッフが担当できる。とくに緩和ケアは、初対面で「何か困っていることはありますか」と聞けば成り立つものではない。最初から担当しているスタッフであれば、患者との信頼関係の構築が得やすいと考えられる。 今後老老介護の増加、介護者の不足が生じている現状でどこまで在宅がん緩和治療が行えるのか。また、財政状況の厳しい中、在宅緩和医療に必要な財源をどこまで確保できるのか。在宅緩和ケアの役割が細分化しつつある中で、急性期病院が担っていく意義を再確認しなければならない。そして、病気を治す医療から生活を支える医療へつながなければならない。 |
索引用語 |
緩和医療, 在宅医療 |