セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

その他2

タイトル 消P-774:

膵癌終末期における在宅緩和治療のこころみ

演者 池松 禎人(浜松医療センター・外科)
共同演者 上嶋 徳(浜松医療センター・外科), 中田 祐紀(浜松医療センター・外科), 田村 浩章(浜松医療センター・外科), 林 忠毅(浜松医療センター・外科), 金井 俊和(浜松医療センター・外科), 平山 一久(浜松医療センター・外科), 西脇 由朗(浜松医療センター・外科)
抄録 【背景と目的】再発膵癌患者は癌性腹膜炎等により消化管を用いた栄養補給が最後まで行えないため、終末期の在宅医療は困難であると考えられてきた。2006年にがん対策基本法が制定され誰もが安心してかかれるがん医療が目標に掲げられ、在宅緩和医療の導入が促進されている。最近の当院における膵癌終末期患者の在宅緩和ケアでの工夫を報告する。【方法】2005年1月以降、皮下埋没型中心静脈注入カテーテル(植込みポート)を導入し再発進行膵癌症例にゲムシタビンなどの抗癌剤投与ルートとして利用する他に、抗癌剤治療で食欲低下したり癌性腹膜炎などで腸が使えなくなったりした時に経静脈栄養ルートとして利用してきた。なお在宅高カロリー輸液患者と家族には全例で経静脈栄養ポンプ使用の指導を行ない、投与輸液製剤は高カロリー輸液用キット製品(糖、アミノ酸、電解質、総合ビタミン、微量元素含有)を用いた。痛みに対してはオピオイド製剤を内服から貼付薬もしくは注射薬にローテーションを行った。【結果】2009年より2011年3月までに20例の進行再発膵癌死亡を経験しているが、在宅支援が行われたポート挿入済み膵癌患者10例(50%)が在宅緩和ケアに持ち込め、うち5例(25%)が開業医による在宅での看取り可能であった(退院後の平均在宅日数は94.2日間)。【考察と結語】従来型の留置カテーテルと比べ感染対策に優れている植込み型ポートは、消化器癌終末期患者の在宅緩和ケアでの栄養管理においても有効であり、患者死亡後の家族満足度も高く、今後ますます普及していくと考える。
索引用語 膵癌終末期, 在宅緩和治療