セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

その他3

タイトル 消P-776:

末梢血液細胞の遺伝子発現解析による消化器癌診断法の開発

演者 酒井 佳夫(金沢大附属病院・消化器内科)
共同演者 本多 政夫(金沢大附属病院・消化器内科), 金子 周一(金沢大附属病院・消化器内科)
抄録 【目的】比較的非侵襲的に採取できる末梢血液を用いた検査法は、検診ツールとしての汎用性が期待される。DNAマイクロアレイによる遺伝子発現解析によって、全遺伝子の同時解析、発現パターンの特徴の詳細な解析が可能となった。今回、大腸癌、胃癌、膵癌の消化器癌患者の末梢血液細胞遺伝子発現について、その特徴を解析し、さらに癌診断法開発の可能性を検討した。【方法】大腸癌13例(年齢:67.9±6.0才、男性/女性=11/2)、胃癌22例(65.5±11.0、13/9)、膵癌20例(67.2±8.1、14/6)、健常18例(62.4±9.3、7/11)の群(トレーニング群)、および大腸癌(64.8±3.8、3/1)、胃癌(67.3±1.9、3/1)、膵癌(67.5±0.9、3/1)、健常(66.8±0.8、2/2)各々4例の群(評価群)について、PAXジーンRNA採血管を用いRNAを分離精製、4x44K Whole Human Genome Microarray(Agilent)にて遺伝子発現を測定した。発現データ解析に、GeneSpring GX software(Agilent)およびMetaCore(GeneGo)を用いた。トレーニング群の癌と健常間において発現に有為差を認めた遺伝子群を含むプローブを搭載したカスタムチップを作成し、評価群に対してsupport vector machine (SVM)を用いて癌判別を検討した。【成績】トレーニング群の癌と健常間で、発現量の差が1.8倍以上、p<0.003で有為差があった遺伝子873個の生物学的プロセスの特徴に、Cell adhesion、Translation、Inflammation、Apoptosisが示された。癌と健常間で有為な発現差のあった1902個の遺伝子と、50個のコントロール遺伝子に対するプローブを搭載したカスタムチップを作成、評価群の遺伝子発現データを解析したところ、661個の遺伝子について、p<0.05で有為差を認めた。SVM解析で、94%の症例について、癌、健常を正しく判別した。【結論】末梢血液細胞の遺伝子発現解析において、癌患者末梢血液細胞で有為に発現変化を示した遺伝子に対するプローブを搭載したカスタムチップにより良好な癌判別を得た。末梢血液細胞の遺伝子発現解析による癌診断法開発の可能性が示唆された。
索引用語 末梢血液, 遺伝子発現