セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

その他3

タイトル 消P-780:

当院における消化管間葉系腫瘍の経験

演者 島田 友香里(西神戸医療センター・消化器科)
共同演者 荒木 理(西神戸医療センター・消化器科), 村上 坤太郎(西神戸医療センター・消化器科), 津田 朋広(西神戸医療センター・消化器科), 佐々木 綾香(西神戸医療センター・消化器科), 後藤 規弘(西神戸医療センター・消化器科), 安達 神奈(西神戸医療センター・消化器科), 松森 友昭(西神戸医療センター・消化器科), 岡部 誠(西神戸医療センター・消化器科), 林 幹人(西神戸医療センター・消化器科), 井谷 智尚(西神戸医療センター・消化器科), 三村 純(西神戸医療センター・消化器科)
抄録 【はじめに】消化管間葉系腫瘍(以下gastrointestinal stromal tumor;GIST)は消化管もしくは大網、腸間膜からも発生しうる。切除可能であれば外科的切除が治療の第一選択となり、切除が不能であればimatinibの内服やラジオ波焼灼療法、経皮的肝動脈塞栓術などの内科的治療が適応となる。【対象】2005年9月~2010年10月までの間に当院で何らかの治療が行われたGSIT症例28例。【結果】症例の内訳は男性15例、女性13例。平均年齢65.6歳(41~89歳)。病変の部位は胃23例、小腸2例、食道1例、腸間膜1例、不明1例。主訴は検診異常が13例、食欲低下もしくは心窩部違和感が6例、その他には腫瘍出血に起因する黒色便、腹痛などであった。小腸病変では空腸と回腸がそれぞれ1例ずつであった。腫瘍最大径の平均は59.8mm(16~160mm)。リスク分類(Fletcher分類に基づく)は超低リスク2例、低リスク11例、中リスク6例、高リスク9例であった。治療方法は、治癒切除を目的に外科治療を行った症例は24例、初診時に明らかに転移がありimatinibの適応となった症例が4例であった。転移部位としては肝もしくは腹膜であった。根治的な外科的治療を行った24例のうち、リスク分類に応じてadjuvant療法が追加されていた症例はなかったが、3例では再発を2年以内に認めimatinibによる治療が追加されていた。再発した3例のリスク分類は中もしくは高リスク群であった。imatinibは全例400mgで開始されていたが、減量せずに継続が可能であったのは2例のみであった。減量の理由としては浮腫、食欲不振であった。転帰は24例が現在も生存中であるが、1例は高齢のため誤嚥性肺炎で死亡していた。3例では通院が中断しており不明である。【考察】当院の症例を検討した結果、再発するのは中もしくは高リスク群であったが、再発症例あるいは初診時から他臓器に転移浸潤している症例でもimatinibの投与を行うことで長期生存が期待できると考えられた。
索引用語 消化管間葉系腫瘍, 治療