セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)その他3 |
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タイトル | 消P-781:当院における消化器癌患者に合併したTrousseau症候群の臨床的特徴について |
演者 | 中村 公子(慶應義塾大・消化器内科) |
共同演者 | 船越 信介(慶應義塾大・消化器内科), 山岸 由幸(慶應義塾大・消化器内科), 樋口 肇(慶應義塾大・消化器内科), 足立 雅之(慶應義塾大・消化器内科), 高石 官均(慶應義塾大・腫瘍センター), 日比 紀文(慶應義塾大・消化器内科) |
抄録 | 【目的】悪性腫瘍に伴って出現する血液凝固異常により様々な血栓・塞栓症を呈した病態をTrousseau症候群という。Trousseau症候群は組織型として腺癌に多いと報告されている。特に、消化器癌には腺癌が多く、治療経過中のTrousseau症候群の合併には注意する必要がある。そこで、今回私達は当院でTrousseau症候群を合併した消化器癌の症例に関し、その臨床的特徴に関する検討を行った。 【方法】当院において2009年4月から2011年3月に経験した全188症例の消化器癌(肝癌を除く)のうち、Trousseau症候群として脳梗塞や肺塞栓症、深部静脈血栓症を合併した全21症例を対象とした。各症例に関して、臨床病期・発症様式・血液凝固マーカー・治療・予後を検討した。 【結果】当院の21症例の内訳は胃癌5例/29症例、大腸癌2例/26例、膵癌12例/60例、胆道癌1例/30例、原発不明癌(組織型は腺癌)1例/9例で、胃癌や膵癌症例に多く、ほとんどが腺癌の症例であった。全症例がStage4の進行癌で、膵癌症例には肝転移を有する症例が非常に多く(12例中11例)、発症時期はGEMによる化学療法中が多かった(12例中7例)。血液凝固マーカーでは全症例においてD-dimerの上昇だけでなく、FDP高値を認めた。また、Trousseau症候群として脳梗塞や肺塞栓症など塞栓症状を有する例では発症後1か月以内の死亡例が多かった(13例中7例)。 【結論】消化器癌の中でも特に胃癌・膵癌症例においてはTrousseau症候群の合併頻度が高い。Trousseau症候群発症後は予後も不良であり、肝転移を有する進行癌や血液凝固マーカーでD-dimerやFDPの高値を認める症例においては、Trousseau症候群の可能性を念頭において治療経過をみていく必要がある。 |
索引用語 | Trousseau症候群, 消化器癌 |