セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)その他4 |
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タイトル | 消P-783:当院における門脈ガス血症の検討 |
演者 | 清水 省吾(岐阜県総合医療センター・消化器内科) |
共同演者 | 加藤 潤一(岐阜県総合医療センター・消化器内科), 出田 貴康(岐阜県総合医療センター・消化器内科), 小原 功輝(岐阜県総合医療センター・消化器内科), 馬淵 正敏(岐阜県総合医療センター・消化器内科), 岩砂 淳平(岐阜県総合医療センター・消化器内科), 安藤 暢洋(岐阜県総合医療センター・消化器内科), 大島 靖広(岐阜県総合医療センター・消化器内科), 岩田 圭介(岐阜県総合医療センター・消化器内科), 芋瀬 基明(岐阜県総合医療センター・消化器内科), 杉原 潤一(岐阜県総合医療センター・消化器内科) |
抄録 | 門脈ガス血症(Hepatic portal venous gas:HPVG)は種々の消化器疾患に併発する比較的稀な病態で、予後不良な兆候とされてきたが、救急でのCTの汎用により軽症例も散見されるようになっている。門脈ガス血症9例について検討し報告する。 【対象と方法】2006年3月より2011年2月の5年間に当院で経験したHPVG9例において、背景、腹部所見、血液検査所見、腹部CT所見について臨床的な検討を行った。【結果】男性7例、女性2例で、年齢は33~89歳(平均67.6歳)。原因疾患は非閉塞性腸管虚血症(Nonocclusive mesenteric ischemia:NOMI)が疑われた症例が6例、イレウス1例、S状結腸憩室炎1例、感染性腸炎1例であった。自覚症状は腹痛が5例、血便1例、脳疾患で判断困難例2例、無症状が1例であった。全例緊急開腹手術は未施行であり、S状結腸憩室炎症例で膿瘍による狭窄のため後日S状結腸切除を行っている。9例中7例は絶食、持続点滴、抗生剤投与の保存的治療で改善しているが、2例は48時間以内に死亡している。死亡例はいずれもNOMIを疑う症例であり、CTで腸管気腫を認めている。1例は慢性腎不全による透析患者で肝硬変症も伴っており、1例は小脳出血で入院加療を開始した直後であり、全身状態から2例とも緊急手術には至らなかった。一方保存的治療で改善した7例では全例腸管気腫は認めなかった。【考察】腹部救急疾患でのCTの頻用に伴い、軽症のHPVGを経験するようになった。全身状態が安定し、腹部所見が乏しく、HPVGの原因が特定可能な場合は保存的治療が可能であるが、腸管壊死を原因とするHPVG、特にCTで腸管気腫を認める場合は、時期を逸することなく外科的手術治療を行う必要性があると考えられた。 |
索引用語 | 門脈ガス血症, 腸管気腫 |