セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

その他4

タイトル 消P-785:

保存的に経過観察し得た門脈ガス血症の3例

演者 西森 英史(札幌道都病院・外科)
共同演者 菅原 伸明(札幌道都病院・内科), 南 貴恵(札幌道都病院・内科), 平間 知美(札幌道都病院・外科), 池田 慎一郎(札幌道都病院・外科), 荒谷 純(札幌道都病院・外科), 矢嶋 知巳(札幌道都病院・外科), 岩田 徳和(札幌道都病院・内科), 牧口 祐介(札幌道都病院・内科), 秦 史壮(札幌道都病院・外科)
抄録 【症例1】81歳、男性。突然の腹痛にて当院受診。CTにて全肝にわたる門脈ガス血症およびイレウス所見を認めた。CRP:35.38, WBC:16590と著明な炎症反応を認めたが、腹部は圧痛のみで反跳痛や筋性防御を認めず、保存的加療(絶食、抗菌薬、高圧酸素療法)を開始した。第3病日のCTにて、門脈ガスは消失するもイレウス所見は残存。炎症反応低下と臨床所見の改善を待って、第11病日より食事摂取を開始した。その後順調に経過していたが、第30病日に間質性肺炎を呈し、人工呼吸管理を行うも集中治療の甲斐なく約1か月後に永眠された。【症例2】93歳、女性。嘔吐を主訴に当院紹介受診。2週間前にウイルス性腸炎。入院時CTにイレウス所見と門脈ガスを認めた。腹部膨満あるも、腹膜刺激症状なし。WBC:7970、CRP:5.2。保存的加療と高圧酸素療法を開始後、多量に排便を認めた。第2病日のCTにて門脈ガスの消失、およびイレウスの改善を認めた。第3病日にCRP:22.14、WBC:8510と著明な炎症反応増加を認めたため、保存的加療を継続し、第8病日より食事摂取開始。その後順調に経過し転院となった。【症例3】89歳、女性。嘔吐、腹痛、血圧低下あり、XPにてイレウス疑い当院紹介入院。入院時CTにてイレウス所見と門脈ガスを認めた。腹部はやや膨満あるも、腹膜刺激症状なく絶食にて保存的に経過観察。入院時WBC:4520、CRP:0.26。第3病日のCTにて門脈ガスは消失。イレウスも改善を認め、食事摂取開始し、その後腹部症状なく転院となった。  門脈ガス血症は比較的希な疾患であり、腸管壊死の一分症としてかつては緊急手術の絶対適応とされたが、本症例のように単純イレウスに伴い発症し、保存的に経過観察が可能な症例も散見される。門脈ガス自体は短時間に消失し、疾患の重症度を反映しないため、腹部所見と血液データなどから腸管壊死所見を見逃さないことが重要である。
索引用語 門脈ガス, 腸管気腫