セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)その他4 |
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タイトル | 消P-786:当院における腹部内臓動脈瘤に対する血管内治療 |
演者 | 和栗 暢生(新潟市民病院・消化器内科) |
共同演者 | 林 雅博(新潟市民病院・消化器内科), 横尾 健(新潟大大学院・消化器内科学), 相場 恒男(新潟市民病院・消化器内科), 米山 靖(新潟市民病院・消化器内科), 古川 浩一(新潟市民病院・消化器内科), 杉村 一仁(新潟市民病院・消化器内科), 五十嵐 健太郎(新潟市民病院・消化器内科) |
抄録 | 【はじめに】腹部内臓動脈瘤の破裂は大量出血をきたし、重篤な疾患であるが、近年画像検査により偶然発見される未破裂動脈瘤も増加している。今回我々が経験した内臓動脈瘤血管内治療例を報告する。【対象】2005年~2010年に経験した腹部内臓動脈瘤の8例(平均65.6歳、男性5例、女性3例)、9病変。【結果】動脈瘤の部位および最大径は腹腔動脈 1 (24mm)、脾動脈 2 (30, 20mm)、下膵十二指腸動脈 1 (7mm)、胃大網動脈 1 (15mm)、空腸動脈 1 (4mm)、左胃動脈 1 (18mm)、総肝動脈 1 (50mm)、右肝動脈 1 (7mm)。うち下膵十二指腸動脈瘤と、左胃動脈、右肝動脈瘤の計3例は破裂出血例であった。全例血管造影にてコイル塞栓術を試みた。脾動脈瘤の1例のみ、脾動脈の屈曲蛇行が著明で、130cmのマイクロカテーテルが病変に十分届かず、コイル塞栓が不可能と判断して外科的摘脾術を施行した。それ以外の8病変はisolationやpackingにて治療した。特発性門脈圧亢進症の脾動脈瘤は部分脾動脈塞栓術(PSE)を併施した。治療症例の全例で動脈瘤血流は消失し、術後経過も良好であった。【考察】腹部内臓動脈瘤の成因には炎症性(膵炎、胆管炎など)、外傷、動脈硬化性、医原性、segmental arterial mediolysis (SAM)などが挙げられているが、脾動脈瘤には門脈圧亢進を原因とするものも多い。当科検討症例では、動脈硬化性 3、医原性 2、 SAM 3、門亢症 1病変が成因として推測された。治療はコイル塞栓が有効であり、虚血性合併症を起こさぬような塞栓治療計画と、デタッチャブルコイルによる慎重な塞栓が重要であった。主要動脈本幹の動脈瘤に対してはステント治療の適した症例もあると思われ、今後の検討課題としたい。 |
索引用語 | 内臓動脈瘤, TAE |