セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

その他6

タイトル 消P-794:

プロトンポンプ阻害剤内服中の患者における下痢の発症状況に関する検討

演者 清村 志乃(島根大・2内科)
共同演者 濱本 直治(はまもと内科クリニック), 串山 義則(松江赤十字病院・消化器内科), 藤代 浩史(島根県立中央病院・内視鏡科), 駒沢 慶憲(出雲市立総合医療センター・内科), 古田 賢司(島根大・2内科), 足立 経一(島根大・臨床看護学), 木下 芳一(島根大・2内科)
抄録 【目的】現在、我が国ではプロトンポンプ阻害剤(PPI)を内服する患者数は増加傾向にある。PPIは長期内服の安全性が高い薬剤であるが、近年では程度の低い副作用にも注目が集まっている。PPIは副作用として時に下痢を生じ、患者のQOLを低下させることがある。今回、我々はランソプラゾール、ラベプラゾール、オメプラゾールの3種類のPPIを長期服薬中の患者について、下痢の発症頻度を比較検討した。
【方法】外来通院中で1か月以上同じ種類のPPIを継続して内服している患者を対象とした。対象者は日誌を用いて、排便回数、Bristol Stool Scale Formに準じた便の形状、排便状態によるQOLの変化について1か月間記録した。主治医は処方しているPPIの種類と用量、基礎疾患、その他の内服薬などについて記録した。PPIの服薬と下痢および軟便の発症頻度、下痢によるQOLの低下に関して関連性の検討を行った。
【成績】対象者は255例で、このうち75例はランソプラゾール、96例はラベプラゾール、84例はオメプラゾールを内服していた。PPI全体での下痢の発症頻度は3.5%であり、軟便の発症頻度は7.1%であった。3種類のPPIについて比較すると下痢および軟便の発症頻度に有意差は認められなかった。さらに、内服しているPPIの用量や服薬持続期間と下痢の発症頻度の間にも関連性が認められなかった。
【結論】PPIの種類によって下痢および軟便の発症頻度に有意差はなく、用量や服薬持続期間と下痢の発症頻度の間にも関連性が認められなかった。ランソプラゾールは下痢の原因となりうるcollagenos colitisの発症に関与しているとの報告もあるが、今回の検討では他のPPIと比較して、下痢の発症頻度が高いとの結果は得られなかった。今後、さらなる大規模研究でPPIによる下痢の発症について、その頻度や機序が解明されることが期待される。
索引用語 プロトンポンプ阻害剤, 下痢