セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)その他6 |
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タイトル | 消P-796:膵十二指腸動脈瘤破裂の2例 |
演者 | 安達 神奈(西神戸医療センター・消化器科) |
共同演者 | 村上 坤太郎(西神戸医療センター・消化器科), 荒木 理(西神戸医療センター・消化器科), 津田 朋広(西神戸医療センター・消化器科), 佐々木 綾香(西神戸医療センター・消化器科), 後藤 規弘(西神戸医療センター・消化器科), 松森 友昭(西神戸医療センター・消化器科), 島田 友香里(西神戸医療センター・消化器科), 林 幹人(西神戸医療センター・消化器科), 井谷 智尚(西神戸医療センター・消化器科), 三村 純(西神戸医療センター・消化器科) |
抄録 | 【はじめに】膵十二指腸動脈瘤は腹部動脈瘤の2%程度と稀な疾患で臨床症状はショックから軽度の腹痛まで様々である。我々は2例の膵十二指腸動脈瘤破裂症例を経験したので報告する。【症例1】40歳代男性、腹部膨満、嘔気にて受診。腹部CTにて膵に腫瘤は認めず、十二指腸水平脚の浮腫と膵頭部周囲に高吸収域を認め、背側膵動脈分枝の拡張を認めた。また上部消化管内視鏡検査(以下、EGD)にて十二指腸下行脚から粘膜は浮腫状で狭窄していた。絶飲食、経静脈栄養にて症状改善したため27病日より経口摂取再開した。血管造影検査にて上腸間膜動脈からarterial arcadeを介して胃十二指腸動脈や総肝動脈が造影され、背側膵動脈の拡張が確認された。下膵十二指腸動脈の分枝に動脈瘤を認め、n-butyl 2-cyanoacrylate(以下、NBCA)で鋳型状塞栓を行った。その後の3D-CTAにて腹腔動脈起始部に上面からの圧排を認めた。血腫は徐々に消失し発症1年の時点で再発は認めていない。【症例2】50歳代男性、頻回の嘔吐にて受診。腹部CTにて膵背側から右前腎傍腔に高吸収域を認め、この高吸収域と膵の間に動脈瘤を認め、十二指腸下行脚から水平脚までの浮腫を認めた。EGDにて十二指腸下行脚から粘膜は浮腫状で狭窄していた。血管造影検査にて腹腔動脈幹は狭小化し、上腸間膜動脈造影にてarterial arcadeを介して胃十二指腸動脈が造影された。後下膵十二指腸動脈に紡錘状動脈瘤を認めNBCAにて塞栓した。W-ED tubeより経腸栄養を行っていたが、30病日より経口摂取開始した。発症2ヵ月の時点では血腫は縮小し動脈瘤の再発は認めていない。【考察】2例ともに腹腔動脈幹が狭小化し上腸間膜動脈からarterial arcade介して胃十二指腸動脈が造影されることから正中弓状靭帯圧迫症候群による動脈瘤と考えられた。腹痛や嘔吐を主訴とし膵炎が否定的であっても腹部CTにて膵周囲に血腫を疑う所見を認めた際には速やかに血管造影検査を行い、診断と塞栓治療をすべきと考えられる。 |
索引用語 | 膵十二指腸動脈瘤, 正中弓状靱帯圧迫症候群 |