セッション情報 |
パネルディスカッション6(消化吸収学会・消化器病学会・消化器内視鏡学会・消化器外科学会合同)
消化吸収の側面からみた炎症性腸疾患の病態と栄養療法
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タイトル |
消PD6-13:クローン病治療における抗TNFα抗体と成分栄養療法についての検討
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演者 |
大塚 博之(市立甲府病院・消化器内科) |
共同演者 |
小嶋 裕一郎(山梨県立中央病院・消化器内科), 榎本 信幸(山梨大・1内科) |
抄録 |
【目的】抗TNFα抗体を導入後における,成分栄養療法(Elemental Diet:ED療法)の併用効果について検討した.【方法】クローン病治療に抗TNFα抗体を導入した症例について,臨床的寛解(IOIBD),粘膜炎症の指標として内視鏡的寛解状態とED療法の併用を検討した.【対象】抗TNFα抗体を導入したクローン病57例,平均年齢34.8才(17-74才),病変範囲は小腸大腸型 (n=44),大腸型 (n=7),小腸型(n=6).IFX導入後の期間32.7月(1.0-70.1).ED療法は1200Kcal以上30%(17/57),1200Kcal未満47%(27/57),非実施23%(13/57)であった.【結果】臨床的寛解導入は,92.7%(22週後)に得られた.抗TNFα抗体導入後,1年以上経過した例では,内視鏡的寛解は59.5%(25/42)で,このうち小腸病変を有する症例における寛解維持率は1200Kcal以上71%(15/21)で,1200Kcal未満62%(8/13)に比較して良好な傾向がみられた.TP, Alb値は,900Kcal以上のED投与により改善の傾向がみられた.一方,抗TNFα抗体導入後,ED療法を中止できたのは16%(5/31)であったが,内視鏡的寛解率はED量を継続群が67%(10/15)と減量,中止した群と比較して良好な傾向がみられた.抗TNFα抗体の継続中に増量・間隔短縮,変更を行った効果減弱例は12.3%(7/57)にみられた.【結論】抗TNFα抗体を1年以上継続した際の寛解維持率は約60%だが,小腸病変を有する症例では抗TNFα抗体にED療法を十分に行うことで寛解維持率を増やす可能性がある.また,抗TNFα抗体を導入後の効果減弱例や再燃例については,ED療法の継続が必要と考えられる. |
索引用語 |
クローン病, 栄養療法 |