セッション情報 |
シンポジウム1(肝臓学会・消化器病学会合同)
分子標的治療の限界を超える新しい肝癌治療法の開発
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タイトル |
肝S1-10:進行肝細胞癌に対するS-1+Sorafenib併用第I/II相試験
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演者 |
大岡 美彦(千葉大大学院・腫瘍内科学) |
共同演者 |
金井 文彦(千葉大大学院・腫瘍内科学), 横須賀 收(千葉大大学院・腫瘍内科学) |
抄録 |
背景:Sorafenib単剤療法は肝機能良好な進行肝細胞癌患者における標準治療である。しかし、より有効な治療法の開発が望まれている。そこで、我々は進行肝細胞癌に対するS-1+Sorafenib併用療法の第I/II相試験を実施している。目的:進行肝細胞癌を対象とし、S-1+Sorafenib併用療法の用量制限毒性(DLT)発現率、最大耐用量(MTD)および推奨用量(RD)を決定し(第I相)、そのRDでの有効性と安全性を評価する(第II相)。方法:切除不能進行肝細胞癌、Child-Pugh Aの患者を対象に、S-1を2週投与1週休薬、Sorafenib連日投与施行し、21日毎に繰り返した。第I相を3 on 3 cohortデザインで行い、CohortをCohort 1: 48mg/m2/day / 400mg qd,2a: 48mg/m2/day / 400mg bid,2b: 64mg/m2/day / 400mg qd,3: 64mg/m2/day / 400mg bid,4: 80mg/m2/day / 400mg bid (S-1 / Sorafenib)と設定し、Cohort毎のDLT発現率をみた。第II相は第I相によって決定したS-1、SorafenibのRDを用い、Primary endpointを無増悪期間、Secondary endpointは生存期間、奏効率、病態制御率、有害事象発生割合とした。結果:第I相ではDLT発現率がCohort 1 1/6, Cohort 2a 0/3, Cohort 3 1/6, Cohort 4 3/3であった。Cohort 3 S-1 64mg/m2/dayを2投1休、Sorafenib 400mg bid連日投与がRDと決定された。第II相では抄録時点で予定25例中10例が登録され、進行中である。抗腫瘍効果は抄録時点でSD6例、PD2例。Grade 3以上の有害事象として貧血、皮疹、低Na血症を1例ずつ認めた。その他Grade 2以下は手足皮膚症候群、嗄声、血圧上昇、脱毛、AST/ALT上昇、AMY上昇、ALP上昇、白血球減少、血小板減少、発作性心房細動、口内炎を認めている。結語:進行肝細胞癌に対するS-1+Sorafenib併用療法第I/II相試験は現在進行中であるが、最新の進行状況および成績について報告したい。 |
索引用語 |
hepatocellular carcinoma, sorafenib |