セッション情報 一般演題

タイトル 158:

原発性肺がんと大腸がん肺転移の鑑別に苦慮した孤立性肺腫瘍の一症例

演者 柴田 義宏(九州大学病院 血液・腫瘍内科)
共同演者 上田 仁(九州大学病院 血液・腫瘍内科), 薦田 正人(九州大学病院 血液・腫瘍内科), 白川 剛(九州大学病院 血液・腫瘍内科), 磯部 大地(九州大学病院 血液・腫瘍内科), 平野 元(九州大学病院 血液・腫瘍内科), 内野 慶太(九州大学病院 血液・腫瘍内科), 牧山 明資(九州大学病院 血液・腫瘍内科), 在田 修二(九州大学病院 血液・腫瘍内科), 草場 仁志(九州大学病院 血液・腫瘍内科), 馬場 英司(九州大学病院 血液・腫瘍内科), 壬生 隆一(九州大学病院 臨床・腫瘍外科), 竹下 正文(九州大学病院 病理病態学)
抄録 悪性腫瘍の既往がある症例において、孤立性肺腫瘍が出現したときに、それが単発の肺転移である可能性は25%といわれている。胃がん、大腸がん、精巣腫瘍では転移性肺がんと原発性肺がんの可能性はほぼ同等といわれているため必ず組織診断にて鑑別する必要性がある。今回、我々は大腸がん術後に孤立性肺腫瘍を認め原発性肺がんと大腸がん肺転移の鑑別に苦慮した症例を経験したので報告する。症例は76才男性。2000年12月1日、横行結腸癌(T2,N1,M0,StageIIIa)に対して右半結腸切除術を施行された。術後、5-FU内服を行っていたが、腹腔内腫瘍性病変を認め局所再発と診断され、2003年2月12日に腫瘍切除術を施行され、術後化学療法(5FU+l-LV)を6ヵ月間行われた。その後は2005年1月までUFTの内服が行われた。2007年5月胸部CTにて腫瘍性病変と副腎腫瘍を指摘されたため、5月22日気管支鏡検査を施行した。擦過細胞診にてclassV、adenocarcinomaを認めたが、原発性肺がんか、転移性肺がんかの診断はつかなかった。精査加療目的にて当科へ転科となった。胸部単純X線写真、及び胸部CT検査では、肺腫瘍陰影は孤立性で径6.5cmと大きく、副腎転移があることより原発性肺がんを疑った。しかし結節の辺縁は整で縦隔リンパ節転移を認めない点は肺がんに非典型的であり、転移性肺腫瘍の可能性も否定できなかった。7月10日超音波ガイド下経皮下腫瘍生検を行い、組織免疫染色の結果、TTF-1(-)、Cytokeratin 7(-)、Cytokeratin 20(+)であり大腸がんの肺転移と診断された。7月18日よりmFOLFOX6療法を2コース施行し重篤な有害事象を認めず、以後の化学療法は外来で施行することとなった。本症例では術後4年以上経過しており原発性肺がんか大腸がんの肺転移再発かの鑑別が困難であった。気管支鏡による擦過細胞診では原発巣の診断はつかず、生検組織の免疫染色にて大腸がんの肺転移と診断できた。原発性肺がんと大腸がんの肺転移再発とでは治療法、予後が大きく異なるために診断に疑いをもつ時には組織生検にて病理学的診断を行うことが重要と考えられた。
索引用語 大腸癌, 肺転移