| セッション情報 |
一般演題
|
| タイトル |
97:十二指腸と回腸病変で経過に乖離が認められたSchonlein-Henoch紫斑病の1例
|
| 演者 |
鴻江 勇和(済生会熊本病院 消化器病センター) |
| 共同演者 |
吉田 健一(済生会熊本病院 消化器病センター), 上原 正義(済生会熊本病院 消化器病センター), 江口 洋之(済生会熊本病院 消化器病センター), 藤本 貴久(済生会熊本病院 消化器病センター), 多田 修治(済生会熊本病院 消化器病センター), 須古 博信(済生会熊本病院 消化器病センター), 神尾 多喜浩(済生会熊本病院 病理部) |
| 抄録 |
症例は23歳男性。2007年5月中旬より腹痛と下痢が出現し、症状が持続するため3日後に近医を受診。感染性腸炎の診断にて内服薬を処方されたが、6日後より両下肢に紫斑が出現し、腹痛が増悪したため、症状出現13日後に当院救急外来を受診し、著明な腹痛のため同日緊急入院となった。心窩部、下腹部に自発痛と圧痛があり、両側大腿から足背にかけて紫斑が認められた。WBC 10500/μl、CRP 2.06mg/dlと上昇しており、便潜血陽性、尿潜血陰性であった。腹部CT検査で十二指腸、および骨盤内小腸の壁肥厚を認めた。上部消化管内視鏡検査では十二指腸球部から水平脚にかけて多発するびらん、潰瘍と高度の浮腫が認められ、大腸内視鏡検査では回腸末端に多発する潰瘍とリンパ濾胞の過形成を認めた。小腸造影検査では、十二指腸から上部空腸に著明な浮腫を認め、回腸末端にも同様の所見を認めた。便培養は陰性であったが、腸管感染を否定できなかったため、CTM1g/日を投与したが、症状は改善しなかった。皮膚、十二指腸および回腸末端からの生検にて血管炎の所見を得ることは出来なかったが、各種自己抗体陰性、下肢の紫斑、消化管に多発する潰瘍、第13因子の低下を認めることから、Schonlein-Henoch紫斑病と診断し、入院5日目より第13因子製剤を3日間投与した。投与後一時症状は改善したが再度腹痛が増悪した。第2回目(初回検査より9日後)に行なった内視鏡検査では十二指腸病変は不変であったが、回腸末端の病変は著明に改善していたため、翌日よりprednisolone 60m/日を開始した。投与翌日には速やかに腹痛が消失し、下肢の紫斑も投与10日後には完全に消退した。第3回目(初回検査より28日後)の内視鏡検査では十二指腸のびらん、潰瘍も軽快しており、その後も経過良好で入院41病日後(症状発現より55日後)退院となった。現在prednisolone漸減中であるが、症状の再燃は認めていない。十二指腸と回腸末端で経過が乖離した所見を認め、治療に苦慮したSchonlein-Henoch紫斑病の1例を経験したので、文献的考察を加え報告する。 |
| 索引用語 |
Schonlein-Henoch紫斑病, 治療抵抗性 |