セッション情報 シンポジウム1

タイトル S1-01:

炎症性腸疾患外科的切除症例における非典型例に関する検討

演者 内山 周一郎(宮崎大学 医学部 腫瘍機能制御外科)
共同演者 佛坂 正幸(宮崎大学 医学部 腫瘍機能制御外科), 池田 拓人(宮崎大学 医学部 腫瘍機能制御外科), 土屋 和代(宮崎大学 医学部 腫瘍機能制御外科), 南 史朗(宮崎大学 医学部 腫瘍機能制御外科), 日高 秀樹(宮崎大学 医学部 腫瘍機能制御外科), 前原 直樹(宮崎大学 医学部 腫瘍機能制御外科), 長池 幸樹(宮崎大学 医学部 腫瘍機能制御外科), 片岡 寛章(宮崎大学 医学部 病理学講座腫瘍・再生病態学分野), 千々岩 一男(宮崎大学 医学部 腫瘍機能制御外科)
抄録 クローン病や潰瘍性大腸炎では内科での確定診断が困難な非典型例が存在する.また潜在的に種々の合併症を伴う例が少なくない.このため外科的治療に際して,内科での確定診断がされずに手術に臨まなければならない症例があり,さらには術後に様々な合併症が発生する場合がある.教室では現在までにクローン病80例,潰瘍性大腸炎44例に対し,手術を施行してきた,このうち非典型例,合併症例の3例を提示する.症例1:30歳,女性で腹痛と粘血便を主訴に近医で潰瘍性大腸炎と診断され,内科的治療を受けた.G-CAP療法を2回受けたところ腹痛が出現し,潰瘍性大腸炎,消化管穿孔の診断で,緊急に結腸亜全摘術,回腸人工肛門造設術,腹腔ドレナージ術を行った.切除標本では結腸全体に偽ポリポーシスの所見を認め,組織学的にUL-IIからUL-IIIまでの潰瘍を伴い,盲腸が穿孔していた.穿孔の原因は不明であったが,血管周囲の炎症細胞浸潤が著明で潰瘍性大腸炎よりは全身性の血管病変などが原因と思われた.術後1週間目に人工肛門からの出血があり,内視鏡で回腸に多数の打ち抜き潰瘍を認めた.生検で核内封入体は認めなかったが,C7-HRP陽性で潰瘍は保存的治療で軽快した.症例2:28歳男性でクローン病による瘻孔形成を認めたため,瘻孔切除を行った.切除標本ではクローン病の所見にアミロイドーシスを伴っており,術後4日目に縫合不全,その後消化管出血,膀胱出血や急性腎不全など様々な病態を合併した.症例3: 76歳,男性で約8年前に近医で潰瘍性大腸炎と診断された.3年前にS状結腸狭窄を認めたためS状結腸部分切除術を行った.病理診断はindeterminate colitisで虚血性腸炎の可能性も考えられた.その後2回行った大腸内視鏡検査では直腸に腫瘍性病変はみられなかった.その1年後に新鮮血下血がみられるようになり直腸Rbに9X5cm大の全周性の隆起性病変を認めたため.腹会陰式直腸切断術を行った.切除標本では構造異型を一部に認めるものの,慢性炎症細胞を主体とした炎症細胞浸潤を伴っており限局性巨大炎症性ポリープと診断された.
索引用語 炎症性腸疾患, 外科治療