| セッション情報 | 一般演題 |
|---|---|
| タイトル | 76:潰瘍性大腸炎として治療されていたアメーバ性大腸炎の1例 |
| 演者 | 明石 学(与那原中央病院) |
| 共同演者 | 新垣 美貴(与那原中央病院), 大見謝 秀巨(与那原中央病院), 金城 福則(琉球大学医学部付属病院光学医療診療部), 藤田 次郎(琉球大学医学部感染病態制御学講座) |
| 抄録 | 【はじめに】アメーバ性大腸炎は赤痢アメーバ(Entamoebahisolytica)嚢子に汚染された食物や水の経口摂取で感染する原虫感染症である.潜伏期は2-3週とされるが、数ヶ月~数年におよぶこともある.症状は数回の水様性下痢,粘血便から頻回の血性下痢など多彩であり,慢性の経過で寛解と増悪を繰り返す症例もあると報告されている. 今回,潰瘍性大腸炎の診断にて治療を受けていたアメーバ性大腸炎の1例を経験したので報告する. 【症例】56歳 男性 2006年9月当院人間ドックにて高血圧を指摘され来院.問診にて4年前(52歳)より血便が持続しており他院にて下部消化管内視鏡検査を施行され潰瘍性大腸炎の診断にて2年間,mesalazine(ペンタサ®)内服の治療を受けていた.2004年より内服自己中断しており血便も持続していたが放置しているとのことだった.血便精査のため当院にて2006年10月、下部消化管内視鏡検査を施行した.直腸・S 状結腸・盲腸に多発するタコイボ様で周囲に紅暈を伴う潰瘍を認めた.介在粘膜や血管透見像は正常であった.内視鏡所見よりアメーバ性大腸炎を疑い赤痢アメーバ抗体,潰瘍底より病理検査を提出した.赤痢アメーバ抗体(FA)は800倍(>100倍),病理検査では壊死物質内に顆粒空胞状の胞体を有する細胞構造を認め一部に赤血球を貪食する栄養型アメーバを認めた.アメーバ性大腸炎の診断にてメトロニダゾール1500mgの10日間内服加療を行った.治療終了後より血便は消失し内視鏡所見も正常となった. 【考察】アメーバ性大腸炎はときに潰瘍性大腸炎と誤診され,年余にわたり投薬を受けている例がみられる.本症は潰瘍性大腸炎の治療で使われる副腎皮質ステロイド剤の投与で増悪することが知られておりステロイドの投与にて腸穿孔より死亡する症例の報告もあり潰瘍性大腸炎の診断時には本症を除外することが重要である.今回,潰瘍性大腸炎の診断にて治療を受けていたアメーバ性大腸炎の1例を経験したので報告する. |
| 索引用語 | アメーバ, 潰瘍性大腸炎 |