セッション情報 一般演題

タイトル 6:

脂肪成分に乏しく肝細胞癌との鑑別が困難であった肝血管筋脂肪腫の一例

演者 宮崎 将之(飯塚病院 肝臓内科)
共同演者 千住 猛士(飯塚病院 肝臓内科), 矢田 雅佳(飯塚病院 肝臓内科), 本村 健太(飯塚病院 肝臓内科), 小柳 年正(飯塚病院 肝臓内科), 安部 智之(飯塚病院 外科), 梶山 潔(飯塚病院 外科), 調 憲(飯塚病院 消化器外科), 大屋 正文(飯塚病院 病理科), 福谷 龍郎(飯塚病院 画像診療科), 坂本 茂(飯塚病院 肝臓内科)
抄録 【はじめに】今回我々は脂肪成分に乏しく肝細胞癌との鑑別に苦慮した肝血管筋脂肪腫の一例を経験したので報告する。
【症例】40歳女性。2006年5月に胸痛を主訴に呼吸器内科受診し、単純CTにて肝S4に径3.5cmの腫瘤性病変を指摘されたが、その後当院を受診しなかった。2007年3月に胸背部痛がみられたため、再度同科を受診し、造影CTにて肝S4に径4cm程度の中心に瘢痕状の低吸収域を伴う多血性腫瘤を認め、肝細胞癌、限局性結節性過形成が疑われ精査目的にて当科紹介となった。血液検査にてHCV抗体陽性、トランスアミナーゼ正常であり、腫瘍マーカー上昇は認めなかった。MRIにて肝S4の腫瘤性病変はT1強調画像で低信号、T2強調画像で高信号であり、SPIO投与であきらかな信号低下はなく、中心部に血管を思わせる低信号域を認めた。腹部血管造影で、S4領域に4cm程度の強い腫瘍濃染を認め、同部位はCTAPにてperfusion defectとして描出された。CTAにて同部位は強く濃染され、遅延相にてwash outされておりHCCにcompatibleな所見であった。腫瘍径の経時的変化はわずかであったが肝細胞癌を否定できず、患者、家族と協議の結果手術の方針となった。4月13日にS4部分切除術施行し、肉眼所見にて肝S4に41×22mmの境界明瞭な充実性腫瘍を認め、内部に出血や一部黄白色調の瘢痕様部位を認めた。組織学的には被膜を認めず、多形性にとんだ類上皮細胞の増殖と腫瘍内出血、泡沫組織球、一部に褐色色素を含んだ細胞を認めた。明らかな脂肪組織は認めなかったが、免疫染色にてHMB-45陽性、α-SMA陽性であることより肝血管筋脂肪腫と診断した。背景肝は慢性肝炎(A1/F1)であった。
【考察】本症例は画像所見より肝細胞癌と限局性結節性過形成が鑑別として考えられ、脂肪成分に乏しいことから肝血管筋脂肪腫は否定的と考えられた。肝血管筋脂肪腫の脂肪含有量は様々であり、画像上脂肪成分に乏しくとも、多血性腫瘍では肝血管筋脂肪腫を鑑別としてあげる必要があると考えられる。
索引用語 肝血管筋脂肪腫, 肝細胞癌