| セッション情報 | ワークショップ1 |
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| タイトル | 研-09:急性発症した男性自己免疫性肝炎の1例 |
| 演者 | 小野 茉莉(国家公務員共済組合連合会 浜の町病院 肝臓科) |
| 共同演者 | 上野 新子(国家公務員共済組合連合会 浜の町病院 肝臓科), 具嶋 敏文(国家公務員共済組合連合会 浜の町病院 肝臓科), 高崎 智子(国家公務員共済組合連合会 浜の町病院 健康管理センター), 相島 慎一(国家公務員共済組合連合会 浜の町病院 病理), 高橋 和弘(国家公務員共済組合連合会 浜の町病院 肝臓科) |
| 抄録 | 【症例】 症例は38歳,男性.主訴は全身倦怠感.既往歴に肝機能異常を認めず.常用薬剤や発症3ヶ月以内の頓用薬剤を認めず.機械飲酒.2007年5月下旬より微熱,全身倦怠感,食欲低下出現し近医受診,高度の肝機能異常を指摘され,当院紹介入院となった. 血液生化学検査では T.bil 7.0 mg/dl, AST 295 IU/L, ALT 652 IU/L,ALP 568 IU/L,γGTP 110 IU/L と肝機能異常を認めた.PTは82.2%であった.肝炎ウイルス関連マーカーを検索したところ,IgM HA抗体,HBs抗原,HBc抗体,IgMHBc抗体,HCV抗体,HCV RNAは陰性,HEV IgM抗体,HEV RNA,EBV VCA IgM抗体,CMV IgMも陰性であった.IgGは 956 mg/dlと正常であったが,抗核抗体40倍,抗平滑筋抗体80倍であった.HLAはDR4, DR6であった.腹部超音波検査では,肝臓は軽度肥大しているものの,慢性肝障害を示唆する所見は認めなかった.生検肝組織では,肝小葉内に単核球浸潤を認め,門脈域に中等度の単核球,形質細胞,好中球の浸潤を認め,肝細胞の壊死と肝細胞の萎縮脱落を広範に認めた.細胆管変化や線維化は認めず,慢性肝障害を示唆する所見は認めなかった. SNMCにより保存的治療を施行したが,AST/ALTは低下傾向であったものの,第8病日には T.bil 17.4 mg/dlまで上昇し,以後低下を認めなかった.自己免疫性肝炎国際診断基準14点で,自己免疫性肝疑診であったこと,他に肝機能異常の明らかな原因を認めなかったことより,急性発症した自己免疫性肝炎と診断した.プレドニゾロン40mgの投与を開始したところ,すみやかにT.bil,AST/ALTは低下した.現在プレドニゾロン10mgまで減量したが,肝機能は完全に正常化し経過は良好である. 【考察】 自己免疫性肝炎は中年以降の女性に好発し,また慢性肝障害を契機に診断されることが多い.本症例は比較的若年の男性で,しかも急性発症しており,典型的な自己免疫性肝炎とは異なり,診断が困難であった.急性肝炎の鑑別をするうえで示唆に富む症例と考え報告する. |
| 索引用語 | 男性自己免疫性肝炎, 急性発症 |