セッション情報 ワークショップ1

タイトル 研-17:

肝内胆管肉腫様癌と肝細胞癌の衝突癌の1切除例

演者 川原 大輔(佐世保中央病院 外科)
共同演者 重政 有(佐世保中央病院 外科), 清水 輝久(佐世保中央病院 外科), 持永 浩史(佐世保中央病院 外科), 和田 英雄(佐世保中央病院 外科), 佐々木 伸文(佐世保中央病院 外科), 梶原 啓司(佐世保中央病院 外科), 碇 秀樹(佐世保中央病院 外科), 菅村 洋治(佐世保中央病院 外科), 國崎 忠臣(佐世保中央病院 外科), 木下 昇(佐世保中央病院 内科), 米満 伸久(佐世保中央病院 病理部)
抄録 肝内胆管癌の中でも肉腫様癌は、一般に稀な特殊型であり予後不良な疾患であるとされている。今回、我々は発熱、全身倦怠感、体重減少を契機に発見され、術後の病理診断にて肝内胆管肉腫様癌と肝細胞癌の衝突癌と診断された一切除例を経験したので報告する。症例は64歳、男性。1995年よりC型慢性肝炎にてインターフェロンによる治療を行っていたが、1999年以降通院していなかった。2007年4月頃より体重減少、5月より心窩部痛、全身倦怠感、発熱が続いたため近医を受診。腹部超音波検査にて肝前区域に腫瘍性病変を認めたため当院紹介となった。腹部造影CTにて肝S8に径約5cm大の早期濃染を認め、腹部MRではT2 high、造影では辺縁は早期よりenhanceされ、中心部はほとんどenhanceされなかった。肝以外の臓器に異常は認めなかった。腫瘍マーカーはCA19-9、CEA、AFP、PIVKAのいずれも正常であったが、画像上肝内胆管癌を否定できなかったため、前区域切除術を施行した。肉眼的に腫瘍は肝S8に認め、最大径5cmの腫瘤形成型で白色を呈していた。病理組織学的には、紡錘形の異型細胞が錯綜し肉腫様に増殖する部分とともに、異型細胞小型の腺管を形成する部分がみられた。これら両者の成分は相互に移行している像を認めた。免疫組織学的にvimentin陽性の紡錘形腫瘍細胞とcytokeratin、epithelial membrane antigen陽性の上皮性細胞が混在しており肉腫様癌と考えられた。本症例では、胆管上皮に発現するcytokeratinやCA19-9が陽性で、肝細胞に発現するAFPが陰性であったことから肝内胆管癌から肉腫様変化をきたしたものであると考えられた。また、主腫瘍と接して最大径7mmの局在性肝細胞癌が認められた。肝内胆管肉腫様癌と肝細胞癌の両者の移行は認められず衝突癌であった。術後、経過良好で退院となり、現在は外来でTS-1内服にて経過観察中である。
索引用語 肉腫様癌, 衝突癌