| セッション情報 |
シンポジウム3
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| タイトル |
S3-09:B型慢性肝炎患者に対する核酸アナログ製剤の効果
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| 演者 |
小森園 康二(社団法人鹿児島共済会南風病院 肝臓内科) |
| 共同演者 |
迫 勝巳(社団法人鹿児島共済会南風病院 肝臓内科), 柴藤 俊彦(社団法人鹿児島共済会南風病院 肝臓内科), 宇都 浩文(鹿児島大学病院 消化器内科), 桶谷 真(鹿児島大学病院 消化器内科), 井戸 章雄(鹿児島大学病院 消化器内科), 坪内 博仁(鹿児島大学病院 消化器内科) |
| 抄録 |
【目的】現在、B型慢性肝疾患に対して核酸アナログ製剤であるラミブジン(LAM)、アデフォビル(ADV)およびエンテカビル(ETV)の抗ウイルス薬が用いられているが、それらの抗ウイルス効果とウイルス耐性化について当科の成績を検討したので報告する。【対象および方法】当科において平成13年1月1日より平成18年12月31日までの間に核酸アナログ製剤であるLAM、ADV、ETV投与を開始し、6ヶ月以上経過観察した B型慢性肝疾患患者83例を対象に、抗ウイルス効果と耐性株出現率を検討した。対象症例の男女比は58:25で、平均年齢は55.3歳(38~73歳)、e抗原陽性は51例(61.4%)、e抗原陰性は32例(38.6%)であった。【成績】LAM単独療法を開始した63例中50例(79.4%)でHBV-DNAは陰性化し、経過中21例(33.3%)にYMDD変異が出現した。累積耐性化率は1年10.5%、2年27.5%、3年34.1%、4年41.7%であった。LAM耐性株出現21例中ADVを追加投与した15例中12例(80%)で、ETVへ切り替えた3例全例(100%)でHBV-DNAは陰性化した。残り3例中2例はALT変動を認めずLAM単独投与継続中であり、1例はbreakthrough hepatitisが出現し、グリチルリチン製剤投与により軽快した。ETV初回投与20例中15例(75%)でHBV-DNAは陰性化を示した。LAM耐性株3/15例はADV併用及びETVへの切り替えでもHBV-DNAの陰性化を得られず核酸アナログ製剤への抵抗性を示した。副作用としては、LAM投与でCPK上昇(1000以上)1例、貧血1例が認められ、ADV単独へ切り替えた。LAMとADV併用無効のためETVへ切り替えた1例が頭痛のため減量を必要としたが、重篤なものは認められなかった。【結論】従来報告されているようにB型慢性肝疾患に対するLAM療法では高率に耐性株が出現したが、多くの症例でADV併用によりHBV-DNAの陰性化が得られた。ENT療法は早期に血中HBV-DNA陰性化を認めたが、長期的な抗ウイルス効果、耐性株出現については今後の検討が必要と考えられる。B型慢性肝疾患に対する経口核酸アナログ製剤の安全性は高いが、少なからずLAM、ADV、ETVに抵抗性の症例が存在することが示唆された。 |
| 索引用語 |
HBV, 核酸アナログ |