セッション情報 一般演題

タイトル 174:

抗凝固剤内服中に発症した下行結腸壁内血腫による腹腔内出血の1例

演者 池田 真帆(長崎市立病院成人病センター 内科)
共同演者 福田 浩敏(長崎市立病院成人病センター 内科), 木下 秀樹(長崎市立病院成人病センター 内科), 福田 康弘(長崎市立病院成人病センター 内科), 川野 洋治(長崎市立病院成人病センター 放射線科), 水田 陽平(長崎大学大学院 消化器病態制御学), 河野 茂(長崎大学大学院 消化器病態制御学)
抄録 【症例】78才男性。腹部大動脈瘤術後、心房細動、高血圧症 等に対して当院心臓血管外科通院中で、2007年1月に右下肢急性動脈閉塞発症後はワーファリンによる抗凝固療法を開始されていた。2007年2月14日突然、左側腹部から徐々に腹部全体に広がる腹痛が出現。2月15日徒歩で外来受診し、腹部CTにて腹腔内出血を認め入院となった。血液検査成績では、WBC 9100/μl Hb 9.7 g/dl PT 26.5% PT-INR 3.01 と軽度の炎症反応と貧血、凝固能の低下を認めた。腹部CT では、血性腹水と下行結腸周囲に広範な血腫を認めた。絶食にて腹痛軽減し、腹部CT上も腹水の減少、血腫の縮小が見られたため、2月22日 注腸造影を施行したところ脾弯曲部に近い下行結腸に粘膜下腫瘍様の表面平滑な陰影を認めた。2月23日から食事開始したが、27日左側腹部痛が再出現。3月2日施行の下部消化管内視鏡では、下行結腸に粘膜下腫瘍様の隆起とその頂部に穿通による粘膜欠損と凝血塊の流出、及び肉芽形成を認め、決壊部からの造影剤注入では、内部に空洞がみられた。腸壁内血腫が経時的に腹腔内と腸管内腔に穿破したものと思われ、外科的治療を検討したが、本人の希望で約1ヶ月の絶食+安静にて経過を見た。1ヶ月後の下部消化管内視鏡では粘膜下腫瘍様の隆起性病変は消失し、襞の集中を伴った陥凹病変が認められた。【結語】腸壁内血腫は外傷性によるものが多く、抗凝固剤によるものは比較的まれである。今回、抗凝固剤服用中に発症後、腹腔内・腸管内腔に穿破し、保存的に治癒し得た下行結腸壁内血腫を経験したので若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 腸壁内血腫, 腹腔内出血