セッション情報 一般演題

タイトル 3:

肝細胞癌を対象としたソナゾイドによる造影超音波検査

演者 山下 信行(九州厚生年金病院 内科)
共同演者 上平 幸史(九州厚生年金病院 内科), 長野 政則(九州厚生年金病院 内科)
抄録 本年1月に本邦2番目となる超音波造影剤ソナゾイドが発売された.造影剤本体である微小気泡を破壊せずにハーモニック信号を画像化するため,レボビストとは異なった画像が観察される.当院では本年8月までに肝細胞癌初発・再発61例,その他悪性腫瘍(転移性など)7例,良性腫瘍6例,計74例にソナゾイドを用いた造影検査を行なった.そのうち肝細胞癌に関して行なった検査に関して報告する.用いた超音波検査装置はSequoia512(Ver.7)で,Contrast Pulse Sequencingモードにて観察を行なった.ソナゾイド懸濁液は当初0.015mL/kgを投与したが,途中から0.0075mL/kgに減量した.投与後30~40秒までを早期相,投与10分以降を後期相と定義し,各相で腫瘍周囲肝実質との比較により腫瘍内部の染影を分類した.その結果を同時期に行なわれた造影CT,Gd造影MRIの各検査結果,病理組織像と比較した.腫瘍径を明確にできた54例中,ソナゾイド早期相で腫瘍内濃染がみられたのは2cm以下:以上で61%:77%であった.後期相で腫瘍内欠損がみられたのは同じく83%:81%であった.造影CT検査結果と比較ができた25例のうち,早期相と後期相の所見が一致したのは早期相64%,後期相76%であり,Gd造影MRI検査28例では,それぞれ68%,21%であった.生検などで組織像が判明した症例では高分化肝細胞癌3例のうち1例が早期相濃染,3例とも後期相欠損を呈した.中分化肝細胞癌9例では早期相濃染7例,後期相欠損6例であった.今回の検討では,他の造影検査との一致率が高くなく,ソナゾイドによる造影超音波検査の独自性が示唆された.造影超音波検査は,得られる情報が検査機種によっても左右されるため,臨床で利用しづらい面があるが,知見を積み重ねることにより,新たな腫瘍情報を表現できるのではないかと思われる.
索引用語 肝細胞癌, 造影超音波検査