セッション情報 一般演題

タイトル 115:

食道癌全周切除後に吸収糸ステントを留置し狭窄予防を行った一例

演者 峯松 秀樹(友愛会豊見城中央病院)
共同演者 柴田 大介(友愛会豊見城中央病院), 丸岡 隆二(友愛会豊見城中央病院), 玻座真 博明(友愛会豊見城中央病院), 真希志 知子(友愛会豊見城中央病院), 仲吉 朝史(友愛会豊見城中央病院), 金城 光世(友愛会豊見城中央病院)
抄録 【目的】食道癌治療で3/4周以上の粘膜欠損が生じると高率に狭窄を起こすことが知られている。このため表層拡大型や全周性病変は適応外(相対的適応)とされている。今回我々は全周切除食道に対して吸収糸ステントを留置し術後狭窄予防に有効な症例を経験したので報告する。【症例】57歳、男性。胃癌のため胃亜全摘術後。上部消化管内視鏡検査にて切歯30-3cmに5/6周に0-IIb病変を指摘。拡大内視鏡で推定深達度m3、造影CTおよびPET-CT上転移所見なく内視鏡切除可能と判断しESDを施行した。ESD時正常粘膜を残すように考えたが非癌粘膜1/6周にdysplasiaを認めたため4cmにわたり全周切除を行った。病理組織はSCC,0-IIb,76×64mm 深達度m2,脈管浸潤なく完全切除であった。切除当日に径20mm×12cmの吸収糸ステントを留置し、2週間後にステントを抜去した。【考察】2/3周以上の食道癌、特に全周切除となる食道癌は術後狭窄が必発であるため内視鏡的治療適応外である。しかし、技術的には一括切除が可能であり、手術と比較して非常に侵襲が少ないとされている。今回術後狭窄予防に吸収糸ステントを当院倫理委員会の承認と十分なインフォームドコンセントのもと留置した。ポリ乳酸は吸収糸、冠動脈や尿管ステントにも使用され、生体に対する安全性は確立している。吸収糸ステントはポリ乳酸を素材とした吸収糸を機械編みし製造されている。本ステントは金属ステントに比較して形状記憶力は劣らず、抜去が容易である。また、ステントの長さを症例ごとに変更可能であることも特徴である。【結論】吸収糸ステント留置は食道癌全周切除症例に対して合併症なく術後狭窄を予防し非常に有用であった。ESDの技術的な進歩により全周性食道切除は可能であり、術後必発する狭窄が本ステントを含む様々な方法で克服ができれば適応範囲がさらに拡大すると考えられる。
索引用語 ESD, 吸収糸ステント