| 抄録 |
症例1.62才女性。H15年10月、便通異常の精査のため当院受診。全大腸内視鏡検査(TCS)を行い、S状結腸に径7mmのIIa+IIc病変を認めた。通常内視鏡観察では中心に段差を伴う星芒状陥凹を認めた。明らかな硬さ、緊満感やヒダ集中はなかった。拡大内視鏡観察では、辺縁隆起部は全てI型、陥凹面はVI型pitが主体と考えられた。Sm浸潤が疑われたが、sm高度浸潤を示唆する所見はなく、non-lifting signも陰性だったため粘膜切除術を行った。病理診断はmoderately differentiated adenocarcinoma, sm massive, ly0, v0, VM(+)、腺腫成分は認めなかった。追加切除が行われ、局所の遺残はなかったが1群リンパ節に転移を認めた。症例2.61才男性。H19年3月、便潜血陽性の精査目的で当院受診。TCSを行い、横行結腸に径9mmのIIa+IIc病変を認めた。全体に隆起が目立つ病変であったが、中心に発赤を伴う陥凹の局面を認めた。陥凹は段差を伴う面状陥凹として認められた。拡大観察でIIa部は全てI型、陥凹部はVI 型pitと診断した。Sm浸潤も疑われたが、non-lifting signは陰性のため内視鏡的粘膜切除を行った。病理診断はwell differentiated adenocarcinoma, sm slight、ly0, v0, 腺腫成分は認めなかった。追加切除を施行し、病理学的に遺残組織はなく、n(-)であった。(まとめ)今回提示する2症例は、10mm以下の大きさにも関わらず、sm浸潤しており、病理学的に腫瘍の立ち上がり部分が正常粘膜で、病変内に腺腫成分を認めなかった。このことよりこの2症例は通常のポリ-プから発生したものとは異なる非ポリープ型発育を呈した腫瘍と考えられた。非ポリープ型発育の腫瘍は腫瘍径が小さくても深部浸潤すると言われている。拡大内視鏡による腫瘍辺縁のI型pitの診断は、これらの非ポリープ型発育を呈する病変の拾い上げに有用であると思われた。 |