| セッション情報 | 一般演題 |
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| タイトル | 4:B型肝硬変に発生し多彩な形態の腫瘍細胞を有した混合型肝癌の1剖検例 |
| 演者 | 渡邊 亮介(国家公務員共済組合連合会 千早病院 内科) |
| 共同演者 | 春野 政虎(国家公務員共済組合連合会 千早病院 内科), 中島 収(久留米大学 医学部 病理学), 田中 博文(国家公務員共済組合連合会 千早病院 内科), 道免 和文(国家公務員共済組合連合会 千早病院 内科), 仁保 喜之(国家公務員共済組合連合会 千早病院 内科) |
| 抄録 | 【はじめに】B型肝硬変を母地に発生した肝外転移巣を伴う混合型肝癌の1剖検例を経験した.剖検病理像で多様な分化段階を呈した腫瘍細胞が観察されたので報告する. 【症例】46歳男性. 【主訴】心窩部痛. 【現病歴】2001年8月に心窩部痛を生じ他病院を受診した.腹腔内多発リンパ節転移を伴う肝細胞癌(HCC)と診断され,精査加療目的に当科紹介入院となった. 【身体所見】身長173cm,体重61.8kg,意識清明,胸腹部に異常所見を認めず.四肢に浮腫を認めず. 【検査成績】白血球数9.250/μL,血色素13.8g/dL,血小板数234x103/μL,血清総ビリルビンは0.8mg/dL,ASTは60IU/L,ALTは52IU/L,アルブミンは3.6g/dLであった.HBs抗原は陽性,HCV抗体は陰性で,AFPは295.7ng/ml,PIVKAIIは107mAU/ml,CEAは70.9ng/mlであった.CT画像では肝内に最大径7cm大の多発する辺縁不整の腫瘤陰影,腹腔内・縦隔内に多発するリンパ節転移巣を認めた. 【臨床経過】諸検査から,混合型肝癌のリンパ節転移と診断した.ファルモルビシンとマイトマイシンCを用いた肝動脈化学塞栓術を施行後,5-FUとランダを用いたFP療法の全身化学療法を2クール2週間施行した.入院4ヶ月後,患者は癌死した. 【剖検像】剖検病理像で腫瘍組織は小腺管の吻合状・充実腺管状・乳頭腺管状成分,腺扁平上皮癌様成分あるいは肉腫様成分などの多彩な構造を呈した.明らかなHCCの成分は腫瘍内には見出せなかった.しかしながら,HCCと胆管癌の中間型成分と胆管癌様成分を認めたため,B型肝炎ウイルス関連の肝硬変の存在も加味し,胆管癌とはせず広義の混合型肝癌と病理診断した. 【考察】近年の細胞生物学の研究成果により肝細胞と胆管上皮細胞の両者へと分化能力を有する肝臓幹細胞の存在が示唆されている.現段階では臨床応用される肝臓幹細胞に特異的な免疫組織学的マーカーはなく,本症例が肝幹細胞由来の肝癌とは断定はできない.しかし,本例は今後の肝幹細胞由来の肝癌の発生を考える上で臨床研究の一助たりえるのではないかと考え報告する. |
| 索引用語 | 混合型肝癌, 肝臓幹細胞 |