セッション情報 一般演題

タイトル 100:

大量下血を繰り返した blind pouch syndrome の一例

演者 本田 邦臣(飯塚病院 消化器内科)
共同演者 多喜 研太郎(飯塚病院 消化器内科), 遠藤 伸悟(飯塚病院 消化器内科), 樋口 奈緒美(飯塚病院 消化器内科), 大内 二郎(飯塚病院 消化器内科), 久保川 賢(飯塚病院 消化器内科), 松井 謙明(飯塚病院 消化器内科), 本村 廉明(飯塚病院 消化器内科), 赤星 和也(飯塚病院 消化器内科), 西田 康二郎(飯塚病院 外科), 渡邊 雅之(飯塚病院 外科), 平橋 美奈子(飯塚病院 病理)
抄録 【症例】72歳,男性.【主訴】暗赤色下血【既往歴】18歳:虫垂切除術,20歳:腹部外傷にて小腸部分切除術,71歳:脳梗塞(以後,アスピリン腸溶錠内服中)【現病歴】2007年7月1日,暗赤色下血を認め前医に救急搬送された.上部・下部消化管内視鏡検査にて出血性病変を認めなかった.入院後計14単位の濃厚赤血球輸血を施行.小腸出血が疑われ,ダブルバルーン式小腸内視鏡(DBE)検査目的にて7月9日当院に転院した.【入院時現症】血圧:147/84mmHg,脈拍:95/分・整,眼瞼結膜に貧血あり.胸部:異常なし.腹部:腹部正中に手術痕あり.【血液検査】Hb 9.0 g/dl の正球性正色素性貧血を認めた.その他特記事項なし.【経過】7月9日,経肛門的・経口的DBE検査を施行したが,観察範囲内の小腸に血液や出血性病変認めなかった(癒着のため小腸吻合部まで到達できず).止血状態と考えられ,食事およびアスピリン腸溶錠内服を開始したが,7月17日,大量の暗赤色下血を認め,出血性ショックとなった.下部消化管内視鏡検査にて終末回腸および大腸に暗赤色血便を認め,やはり小腸出血を疑い,緊急腹部血管造影を施行したが,異常を指摘できなかった.7月20日にも大量の暗赤色血便を認めたため,直ちに腹部造影CT検査を施行したところ腹壁の手術痕直下の回腸管腔内に造影剤の漏出を認めた.小腸吻合部の出血が疑われたため,同日当院外科にて緊急手術を施行した.回腸に側々吻合部を認め,同部位で腹壁への癒着を認めた.癒着を剥離後,吻合部口側小腸よりDBEを挿入し術中内視鏡検査を施行.側々吻合部の口側腸管の盲端部に小潰瘍を認め,blind pouch syndrome と診断し,出血源と考えられたため,吻合部を含め回腸部分切除術を行い端々吻合した.病理組織学的に口側回腸盲端部に粘膜欠損を認め,同部の粘膜下層内には浮腫と出血巣を認めた.術後経過は良好で,8月3日に前医に転院した.【結語】小腸側々吻合の既往がある原因不明の消化管出血例では,blind pouch syndromeは鑑別すべき疾患の一つであり,文献的考察を加えて報告する.
索引用語 blind pouch syndrome, 小腸潰瘍