セッション情報 シンポジウム3

タイトル S3-02:

佐賀県におけるB型肝炎の実態と今後の展望

演者 河口 康典(佐賀大学 医学部 肝臓・糖尿病・内分泌内科)
共同演者 水田 敏彦(佐賀大学 医学部 肝臓・糖尿病・内分泌内科), 尾崎 岩太(佐賀大学 医学部 肝臓・糖尿病・内分泌内科)
抄録 【背景と目的】佐賀県は肝癌による死亡率が全国で最も高いことから、肝癌の主たる原因であるC型肝炎対策を重点施策と捉え検診事業を進めてきたが、B型肝炎に関しても2001年より全県下で基本検診にHBs抗原測定が導入された。この間に蓄積されたデータからB型肝炎の実態と問題点を浮き彫りにし、今後の課題を検討する。
【方法】2001年~2005年の30歳以上の基本検診受診者を対象とし、血清HBs抗原を測定した。陽性者に対しては、文書で通知し医療機関への受診を促し、医療機関からの報告により転帰を追跡した。
【結果】5年間の総検査者数100,397人の内、陽性者は1,425人(1.42%)であった。各年齢別の検査者数/陽性者数(陽性率)は、30歳代12,839/164(1.28%)、40歳代15,052/236(1.57%)、50歳代20,381/393(1.93%)、60歳代30,376/421(1.39%)、70歳以降21,079/211(1.0%)であり、全体に男性の検査者数(35,282人)が少なかった。陽性者の内、医療機関から報告を得たのは1,370人(96.1%)であり、内訳は要医療143人(10.4%),要観察1207人(88.1%),異常なし14人(1.0%),未記入6人(0.4%)であった.
【考察】男性の検査者数が少なく職域への介入が必要と考えられるが、2006年度より職域検診への公費助成が開始されており、今後の成果が待たれる。また、陽性者の医療機関への受診率は高率であるが、要医療と判断されたものは1割のみであった。9割近い要指導の患者がどのようにフォローされているかは追跡できておらず、その疾患の多様性から各医療機関において対応に差異が生じている可能性が憂慮される。フォロー体制の整備が急務であり、現在、ガイドラインを作成中である。
索引用語 B型肝炎, 検診