| セッション情報 | ワークショップ1 |
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| タイトル | 研-39:術前診断に難渋した限局性膵炎の一切除例 |
| 演者 | 隈本 朝子(久留米大学臨床研修管理センター) |
| 共同演者 | 加治 亮平(久留米大学内科学講座消化器内科部門), 岡部 義信(久留米大学内科学講座消化器内科部門), 石田 祐介(久留米大学内科学講座消化器内科部門), 菅 偉哉(久留米大学内科学講座消化器内科部門), 鶴田 修(久留米大学内科学講座消化器内科部門), 久下 亨(久留米大学外科学講座), 緒方 俊郎(久留米大学外科学講座), 堀内 彦之(久留米大学外科学講座), 木下 壽文(久留米大学外科学講座), 内藤 嘉紀(久留米大学病理学講座), 佐田 通夫(久留米大学内科学講座消化器内科部門) |
| 抄録 | 症例は59歳女性。平成19年6月上腹部不快感を主訴に近医で施行した腹部USで、膵体部にhypoechoic massを認めたため、精査目的に6月19日当科入院となった。入院時現症に異常はなかった。血液生化学検査では、FBS 123mg/dl, HbA1c 6.4 %と軽度の耐糖能異常をみたが、AMY 55 U/l、CEA 2.5 ng/ml、CA19-9 28.5U/ml、DUPAN 2 26 U/ml、SUPAN 1 12U/ml、Elastase 1 130 ng/dlと血清膵酵素や腫瘍マーカー及びγglobrin 15.8 %、IgG 1034は正常範囲内だった。入院時の腹部USでは、径14×16 mm大の比較的境界明瞭なhypoechoic massを認めた。EUSでは、上記と同様の所見を認め、その尾側にも境界不明瞭、内部不均一な径約20mm大のhypoechoic massを認めた。尾側膵管の拡張は認めなかった。MD-CTでは造影後期において膵実質にfocalに極く淡い造影効果を認める領域を認めた。MRIでは同部に不鮮明に濃染される領域を認めたが、いずれも周囲との境界は明らかでなく炎症性変化も否定できない所見であった。ERPでは明らかな膵管狭細像は認めなかった。PETでは膵体部と尾部にFDG-SUV値 max 2.26→2.61(体部)、max2.99→3.34(尾部)の異常集積を認めた。以上の所見より、限局性膵炎と悪性腫瘍の鑑別が困難で、十分なInformed consentを得たうえ膵体尾部切除術を施行した。摘出病理組織では、膵実質に形質細胞を伴う炎症を認め、限局性に主膵管に組織学的に軽度の狭細化を認めた。また、静脈炎の存在およびリンパ濾胞の著明な増生を伴う炎症像を認め、自己免疫性膵炎(AIP)の像として矛盾しない所見だった。今回我々は、画像所見上典型的なAIPの像を呈さず切除し、組織学的に限局性のAIP像に矛盾しない一例を経験した。画像所見上腫瘤様所見を呈するAIPは稀で、また初期像の可能性もあり、貴重な症例と考えられたため、若干の文献的考察を含め報告する。 |
| 索引用語 | 限局性膵炎, 腫瘤 |