セッション情報 ワークショップ1

タイトル 研-44:

診断に苦慮した胆管内粘液産生腫瘍の一例

演者 垣内 誠也(新古賀病院 消化器内科)
共同演者 中嶋 哲也(新古賀病院 消化器内科), 馬場 活嘉(新古賀病院 消化器外科), 高尾 貴史(新古賀病院 消化器外科), 入江 康司(新古賀病院 病理部), 草野 敏臣(新古賀病院 消化器外科)
抄録 【はじめに】胆管内粘液産生腫瘍は比較的稀であり,その診断には苦慮することが多い。今回我々はその一例を経験したので報告する。【症例】76歳女性。平成19年2月19日、腹痛が出現。近医受診し血液生化学検査にて肝胆道系酵素の上昇を認め,腹部エコーにて左肝内胆管の軽度拡張を認めた。しかし腹部造影CT検査・上部消化管内視鏡検査・MRCPなど施行されたが特に異常を認めず、保存的加療にて軽快していた。5月22日に右季肋部痛・嘔気嘔吐が出現したが、やはり血液生化学検査・腹部エコーにて異常を認めなかった。その後も症状持続するため、5月28日精査加療目的にて当院紹介入院となった。【入院後経過】血液生化学検査では肝胆道系酵素を含め,異常所見を認めず。経過より胆道系の直接造影検査が必要と判断し、5月28日ERCPを施行。総胆管の著明な拡張と胆管内に粘液貯留を認めた。ESTを施行し粘液を可及的に除去採取した。再度胆管造影を行なうと肝内胆管B2のみ造影されず、B2-3合流部に陰影欠損を認めた。肝内胆管B2根部の粘液産成腫瘍を疑い、吸引採取した粘液及び胆汁より細胞診を行なったが、結果はClassIIであった。その後腹痛は軽快し、炎症反応や肝胆道系酵素の上昇も認めなかったが、6月3日再度右季肋部痛が出現。6月5日ERCPを施行すると、前回同様、総胆管内に多量の粘液貯留を認め、B2根部も同様の所見であった。悪性腫瘍との診断は困難であったが、胆道腫瘍により産成された粘液が、胆道閉塞を来たしていることは明らかであり、腹痛・嘔気等の症状を繰り返していることからも手術適応と考え、6月11日拡大肝左葉切除術を施行。術後経過は良好であった。病理結果は膵IPMCに類似した、胆管内粘液産成腫瘍との診断であった。今回若干の文献的考察を加え、報告する。
索引用語 粘液産生胆管腫瘍, 胆管癌