セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
199:内視鏡的乳頭切除術後晩期に膵炎を発症し膵管ステントが有用だった1例
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演者 |
加治 亮平(久留米大学内科学講座消化器内科部門) |
共同演者 |
岡部 義信(久留米大学内科学講座消化器内科部門), 菅 偉哉(久留米大学内科学講座消化器内科部門), 石田 祐介(久留米大学内科学講座消化器内科部門), 鶴田 修(久留米大学内科学講座消化器内科部門), 佐田 通夫(久留米大学内科学講座消化器内科部門) |
抄録 |
症例は68歳男性。C型肝硬変症と肝癌に対するTAEの既往がある。H16年2月十二指腸乳頭部癌に対し、内視鏡的乳頭切除術を施行。切除病理診断は高分化腺癌で胆管断端一部陽性であったが、内視鏡的治癒切除であった。同年9月に膵管開口部狭窄が原因と考えられる急性膵炎を発症したが、保存的加療で軽快している。以後経過良好だったが、H19年6月膵炎再燃し保存的加療で改善を認めないため、同月25日加療目的に当院転院となる。入院時、血液生化学検査にて血清膵型AMY 499 U/l、Lip 515 U/lと高値を示し、USで主膵管径6mmと拡張し、CTで膵実質に限局性の低吸収域を認め急性膵炎の所見だった。膵管開口部狭窄に伴う膵液流出障害が原因と考えられ、ドレナージ目的に7月3日ERPを施行した。乳頭部の膵管開口部は強い瘢痕狭窄を認めた。通常操作にて挿管困難な為、先細メタルチップ型造影チューブ(PR-131Q;Olympus)を用いて0.018inch ガイドワイヤー(Road runner: Wilson-Cook)を膵管へ挿入した。しかし、造影チューブの深部挿管に難渋し、プレカットナイフ(KD-441Q; Olympus)を用いて狭窄を一部切開した後、先端をtaper状に加工した造影チューブ(PR-104Q; Olympus)を用いて膵管に挿管。6Frダイレーター(Dilation Catheter;Wilson-Cook)を用い、開口部を拡張した後5Fr片pig tailフラップ付膵管ステント (Zimmon® Pancreatic Stents;Wilson-Cook)を挿入した。以後、膵炎症状は改善し、通院経過観察中である。今回我々は内視鏡的乳頭部腫瘍切除後の膵管口狭窄に対し、内視鏡的加療に成功した一例を経験したので、若干の文献的考察を含めて報告する。 |
索引用語 |
膵管口狭窄, 内視鏡的乳頭腫瘍切除後 |