| セッション情報 |
シンポジウム2
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| タイトル |
S2-04:Barrett食道腺癌12例の臨床病理学的検討
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| 演者 |
庄野 孝(済生会熊本病院消化器病センター) |
| 共同演者 |
上原 正義(済生会熊本病院消化器病センター), 八板 弘樹(済生会熊本病院消化器病センター), 江口 洋之(済生会熊本病院消化器病センター), 藤本 貴久(済生会熊本病院消化器病センター), 多田 修治(済生会熊本病院消化器病センター), 須古 博信(済生会熊本病院消化器病センター), 神尾 多喜浩(済生会熊本病院病理) |
| 抄録 |
【目的】これまで欧米で多いとされてきたBarrett食道腺癌は近年本邦でも報告例が増えている。また、NBI(Narrow band imaging)や拡大内視鏡の進歩はBarrett食道の臨床診断に大きく寄与してきている。今回、当科で経験したBarrett食道腺癌12例の臨床病理学的評価を行いBarrett食道腺癌の診断と治療方針について検討を行った。【対象】過去10年間(1998年10月から2007年9月)に当院で病理組織学的にBarrett食道腺癌と診断し得た12例を対象とした。なお、最近の2例についてはNBI+拡大観察を行った。【方法】12例の年齢、性、自覚症状、粘膜背景、肉眼型、腫瘍径、治療法、壁深達度、組織型について検討を行った。Barrett食道の診断、腺癌の肉眼型、深達度、組織型については2007年4月改訂の食道癌取り扱い規約第10版に従い再評価を行った。【結果】年齢は56-80歳(平均69歳)、男女比は9:3であった。症状として胸焼け、心窩部痛を7例で認め、その他は無症状であった。逆流性食道炎を9例、食道ヘルニアは11例で認めた。Barrett上皮はすべてshort segment Barrett esophagus(SSBE)であった。肉眼形態は0-I:2例,0-I+IIa:1例,0-IIa+IIc:3例,0-IIc:3例,0-IIa:3例であった。腫瘍径は10-58mm(平均21.3mm)で、治療法は外科的切除9例、内視鏡治療3例(うち内視鏡的粘膜下層剥離術ESD2例、内視鏡的粘膜切除術EMR1例)であった。EMRの1例は遺残が疑われたため外科的治療を追加した。深達度はT1a-LPM:1例,DMM:2例でT1bSM1:7例、SM2:1例、SM3:1例であった。組織型では高分化型腺癌が10例で、低分化型腺癌が2例であった。低分化型の1例にリンパ節転移を認めた。ESDを行った2例では内視鏡的一括切除が可能であった。NBI+拡大観察ではsquamo-columnar junction(SCJ)や遺残扁平上皮島の明瞭な描出が可能であった。NBI+拡大観察と酢酸散布法を行った2例は腫瘍境界が明瞭に描出され、内視鏡的境界と病理組織境界とはほぼ一致していた。【結論】ESDは切除標本の病理組織学的評価が可能であり、Barrett食道腺癌の診断と治療方針の決定に有用である。NBI、酢酸散布法と拡大観察も癌部、非癌部の境界を明瞭に認識でき、Barrett食道腺癌の境界診断にきわめて有用であると考えられた。 |
| 索引用語 |
Barrett食道腺癌, 内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD) |