セッション情報 ワークショップ1

タイトル 研-50:

内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)により切除しえた食道血管腫の1例

演者 神田 愛子(大分大学 医学部 消化器内科)
共同演者 八坂 成暁(大分大学 医学部 消化器内科), 村上 和成(大分大学 医学部 消化器内科), 福田 健介(大分大学 医学部 消化器内科), 阿南 重郎(大分大学 医学部 消化器内科), 平島 徹朗(大分大学 医学部 消化器内科), 大津 智(大分大学 医学部 消化器内科), 渡邉 浩一郎(大分大学 医学部 消化器内科), 沖本 忠義(大分大学 医学部 消化器内科), 兒玉 雅明(大分大学 医学部 消化器内科), 藤岡 利生(大分大学 医学部 消化器内科)
抄録 【症例】75歳、女性。【現病歴】平成19年5月の検診で食道胃接合部の腫瘤を指摘され、近医を受診。上部消化管内視鏡検査にて、同部に約10mmの表面にやや不整な発赤を伴うほぼ平滑な山田3型の亜有茎性隆起性病変を認めたため、精査加療目的にて当院を紹介受診された。当院での上部消化管内視鏡検査で病変は上皮性と思われ、超音波内視鏡(EUS)にて内部はモザイク状で、粘膜下層、筋層には及んでおらず内視鏡治療の適応と考え、8月10日入院となった。【既往歴、家族歴】特記所見なし。【理学所見】身長150cm、体重55.2kg、腹部平坦軟、圧痛なし。【検査所見】血算生化学検査にて異常なし。腫瘍マーカーもCEA、CA19-9の上昇を認めなかった。【入院後経過】病変は蠕動や呼吸によって食道内と胃内を往来した。さらに視野の確保やスネアリングも困難であったため、切除方法としてESDを選択した。8月13日、食道胃接合部腫瘍に対してESDによる一括切除を行った。病理組織学的所見では、部分的にびらんの形成を伴う肥厚した扁平上皮下に一層の内皮細胞で被覆された血管の集蔟を認めた。adenomaや悪性所見はなく、hemangiomaと診断された。術後経過は良好で、8月23日退院となった。【考察】ESDにより切除しえた食道血管腫の1例を経験した。報告では、食道血管腫は食道良性腫瘍のうち0.02%と稀で、国内でも1951年から約70例が報告されるのみである。症状は嚥下困難(29%)と出血(14%)が主となるが本症例のように無症状(25%)のものも多いとされている。治療は外科的食道切除および腫瘍核出術、内視鏡的ポリペクトミー、凍結手術、ラジウム密着照射療法、エタノール局注療法、内視鏡的食道胃静脈瘤硬化療法(EIS)などが報告されているがESDによる切除の報告はなく、本疾患に対する治療として有効であると考えられた。
索引用語 食道血管腫, ESD