セッション情報 一般演題

タイトル 185:

検診で肝機能異常を指摘され入院し、画像診断上胆嚢癌との鑑別が困難であった黄色肉芽腫性胆嚢炎の1例

演者 福田 康弘(長崎市立病院 成人病センター)
共同演者 木下 秀樹(長崎市立病院 成人病センター), 池田 真帆(長崎市立病院 成人病センター), 七島 篤志(長崎大学 医学部 歯学部 附属病院 第一外科), 林 徳真吉(長崎大学 医学部 歯学部 附属病院 病理部), 水田 陽平(長崎大学 医学部 歯学部 附属病院 第二内科), 河野 茂(長崎大学 医学部 歯学部 附属病院 第二内科)
抄録  症例は51歳女性で、2006年8月7日検診の血液検査で肝機能異常を認め、精査加療目的で8月8日当院へ紹介入院となった。入院時AST551U/l、ALT719U/l、LDH331U/l、ALP274U/l、γ-GTP136U/l、TB1.58mg/dlでIgMHA、HBsAg、HCVはすべて陰性で、抗核抗体、抗ミトコンドリア抗体も陰性だった。腹部エコーでは胆嚢内に結石があり、隆起性病変も見られた。胆道系優位の肝機能異常ではなく、腹部エコーで総胆管結石は描出出来なかったが、胆石があることから胆道感染や総胆管結石が関連した肝機能異常も考えて、当初絶食でSBT/CPZを使用した。しかし、8月9日の腹部CTでも総胆管に結石はなかった。胆嚢頚部に結石があり胆嚢底部には結石とその周囲に腫瘤が見られ胆嚢癌が疑われた。入院当日、翌日ともCRPは正常のためSBT/CPZは8月10日までで中止し、食事も開始した。肝機能改善が悪かったため8月12日よりSMC40mlの静注を開始した。8月18日の造影CTでは一部は慢性の胆嚢炎による腫瘤が疑われたが一部は胆嚢癌と考えられ、肝門部総肝管腹測にリンパ節転移が疑われた。8月30日のMRCPでもやはり胆嚢癌が疑われリンパ節転移も疑われた。肝機能の改善を待って胆嚢癌の診断で外科に転院して9月21日に手術を行った。しかし、術後の病理診断は黄色肉芽腫性胆嚢炎だった。黄色肉芽腫性胆嚢炎は、胆嚢炎で胆嚢摘出術を施行された症例のうち1~2%と報告されている。胆嚢癌との鑑別は困難なことが多く、また10%前後に胆嚢癌を合併するとされている。従って黄色肉芽腫性胆嚢炎の診断であっても切除して病理組織診断まで行うことが必須である。今回の症例は当初胆嚢炎も考えたものの炎症所見はなく、術前に一部は慢性胆嚢炎が存在すると考えたものの黄色肉芽腫性胆嚢炎を鑑別にあげられなかった。胆嚢癌が疑われた場合、特に胆石合併例では黄色肉芽腫性胆嚢炎を考慮しておく必要があり、若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 黄色肉芽腫性胆嚢炎, 胆嚢癌