セッション情報 ワークショップ1

タイトル 研-26:

吐血を契機に発見された完全型Bechet 病の一例

演者 久野 くみ(福岡大学 医学部 消化器内科)
共同演者 花野 貴幸(福岡大学 医学部 消化器内科), 釈迦堂 敏(福岡大学 医学部 消化器内科), 横山 昌典(福岡大学 医学部 消化器内科), 西村 宏達(福岡大学 医学部 消化器内科), 江口 浩一(福岡大学 医学部 消化器内科), 前田 和弘(福岡大学 医学部 消化器内科), 青柳 邦彦(福岡大学 医学部 消化器内科), 向坂 彰太郎(福岡大学 医学部 消化器内科)
抄録 症例:50歳代、男性。主訴:吐血現病歴:元来健康であったが、X年9月中旬頃よりタール便を自覚。9月26日吐血し近医受診、著明な貧血を認め当科紹介入院となった。既往歴:5年前、大腸ポリープ生活歴:飲酒歴;1年前より禁酒、喫煙歴;1日20本、30年間。家族歴:特記事項なし。現症:意識は清明、血圧120/72 mmHg、脈拍92/分(整)、体温37.3℃、眼瞼結膜に貧血を認めた。心音、呼吸音異常なし。腹部理学的所見異常なし。入院時検査所見:WBC 11800/μl, RBC 142万/μl, Hb 4.4 g/dl, Ht 13.7%, PLT 25.1万/μl, T.P 5.1 g/dl, Alb 1.9 g/dl, BUN 44 mg/dl, 1.3 mg/dl, CRP 4.2 mg/dl臨床経過:輸血を行うとともに、緊急上部消化管内視鏡検査を施行した。胃体上部前壁に露出血管を伴う潰瘍を認め、ヒータープローブ法による止血処置を行い、貧血は改善したが発熱は持続した。入院第6病日より38℃台となり、CRPは7.9と上昇したが、感染症は否定された。不明熱の精査のため、全身の理学的所見を詳細に取り直したところ、舌、口唇にアフタ性潰瘍を認め、左背上部と下腿伸側に結節性紅斑を認めた。また、外陰部潰瘍と、眼底の白色滲出斑と網膜出血を認めた。Bechet 病の主症状を4つ(1、口腔粘膜のアフタ性潰瘍、2、結節性紅斑、3、網膜ブドウ膜炎、4、外陰部潰瘍)満たしており完全型Bechet 病と診断した。HLA-B51も陽性であった。第17病日よりコルヒチン1 mg/dayを開始し、微熱となったがCRPは高値であった。第21病日よりプレドニン 30 mg/dayを開始し、解熱と炎症所見の改善を認め退院となった。考察:出血性胃潰瘍で入院したが、入院後に認めた不明熱の精査により、完全型Bechet 病の確定診断に至った一例を経験した。本症例を経験したことより、入院の契機となった症状のみにとらわれず、全身身体所見、検査値の異常から、症例の再評価を行い、診断していく重要性を実感した。
索引用語 吐血, ベーチェット病