セッション情報 一般演題

タイトル 109:

術前に嵌頓を徒手整復した後に腹腔鏡下に修復した閉鎖孔ヘルニアの1例

演者 園田 耕三(宗像医師会病院 外科)
共同演者 櫻井 眞人(宗像医師会病院 外科), 祇園 智信(宗像医師会病院 外科), 前川 宗一郎(宗像医師会病院 外科), 北村 昌之(九州中央病院)
抄録 術前に嵌頓を徒手整復した後に、腹腔鏡下に修復した閉鎖孔ヘルニアの1例宗像医師会病院術前に嵌頓を徒手整復した後に、腹腔鏡下にTEPP法にて修復した閉鎖孔ヘルニアを経験した。症例は77歳、女性、やせ型、右鼠径部から大腿内側の繰り返す痛みの原因について外来検査中、突然の臍周囲の痛み、嘔気、嘔吐にて来院。腹部レントゲンにて鏡面形成認め、腸閉塞と診断。腹部CTにて、左閉鎖孔に小腸の嵌頓を認め、嵌頓部位より口側の小腸は拡張し、閉鎖孔ヘルニアへの小腸嵌頓による腸閉塞と診断した。左大腿内側に小隆起認め、嵌頓した小腸であると診断し、発症から間もないことより徒手的に整復した。整復は容易であった。整復後は症状改善したために、待期的に手術を施行した。CTにて右外閉鎖筋と恥骨筋間に約1cmの間隙を認め、右閉鎖孔ヘルニアの可能性も考えられた。手術は、まず、臍上部から小開腹法にて腹腔鏡を腹腔内に挿入し腹腔内を観察した。左閉鎖孔には、大網の脱出を認めたが、観察時に小腸の嵌頓は認められず、嵌頓により切除を要すると判断される小腸病変も認めなかった。右閉鎖孔には脱出臓器は認めなかったが、ヘルニア嚢の形成を認めた。さらに右側には大腿ヘルニアも認めた。以上より、TEPP法によるヘルニア修復が可能と判断し、臍の左尾側に皮切をおきなおし、TEPP法にて左閉鎖孔ヘルニア、右閉鎖孔ヘルニア、右大腿ヘルニアを3Dメッシュを用いて修復した。ヘルニア修復終了後、再度、臍上部の小開腹創から腹腔内を観察し、ヘルニアが修復されていることを確認した。術後経過は順調であった。閉鎖孔ヘルニアは比較的稀なヘルニアであり、腸管の嵌頓による腸閉塞を発症した場合に術中に診断される事が多々見受けられる。治療は、手術により嵌頓腸管の切除を必要とすることがあるが、本症例のように術前に診断され、嵌頓腸管の切除を要しない場合、鼠径ヘルニアに対して施行されるTEPP法は、閉鎖孔ヘルニアに対しても有効な手段と考えられた。
索引用語 閉鎖孔ヘルニア, TEPP