セッション情報 一般演題

タイトル 161:

DAC-Tam feron療法が奏功した直腸悪性黒色腫の一例

演者 川野 紀子(産業医科大学 消化器・代謝内科)
共同演者 芳川 一郎(産業医科大学 消化器・代謝内科), 田代 充生(産業医科大学 消化器・代謝内科), 田口 雅史(産業医科大学 消化器・代謝内科), 久米 恵一郎(産業医科大学 消化器・代謝内科), 大槻 眞(産業医科大学 消化器・代謝内科)
抄録 悪性黒色腫は生物学的悪性度が高いことから、外科的切除以外に有効な方法はないといわれていた。近年、皮膚悪性黒色腫の術後補助療法として、dacarbazine(DTIC)とnimustine(ACNU)にvincristineを併用したDAV療法や、DTICとACNUにcisplatin (CDDP)とtamoxifenを併用したDAC-Tam療法などの全身化学療法、さらにこれらにinterferon-βの局所注射を併用したDAV-feron療法やDAC-Tam feron療法により奏効率の改善が認められるようになった。
消化管原発の悪性黒色腫は全悪性黒色腫の1%以下であり、皮膚の悪性黒色腫よりもさらに予後不良である。治療としては外科的切除が第一選択となる。しかし手術不能であるStage IV症例に関しては、確立された治療法がないのが現状である。今回われわれは手術不能の直腸原発悪性黒色腫に対してDAC-Tam feron療法を施行し、奏効した症例を経験したので報告する。症例は、73歳男性。排便時の肛門部痛を自覚し来院された。直腸指診で肛門縁上に母指頭大、表面不整、弾性硬の腫瘤を触知した。血液検査では、末梢血ではWBC 7200/μl, RBC 413×104/μl, Hb 12.6 g/dl, Plt 25.7 万/μlと軽度の貧血を認め、生化学検査では空腹時血糖高値以外は異常を認めなかった。腫瘍マーカーでNSEは11.2 ng/mlと軽度高値を示した。下部消化管内視鏡検査を施行したところ、直腸Rbに径 4cm大の一部黒色を呈する隆起性病変を認めた。生検で悪性黒色腫と診断、肝転移を認め病期分類はStage IVとなった。治療に関しては、切除不能な皮膚悪性黒色腫Stage IVに対する治療として施行されているDAC-Tam療法に加え、局所療法として内視鏡下にフェロン局注を施行した。1クール終了時局所の疼痛は消失し、内視鏡的に明らかな直腸腫瘍の縮小を認め、2クール目終了時には肝転移も消失した。同治療を計7クール施行し腫瘍は増大傾向にはあるが、治療開始後22ヶ月経過した現在も存命である。
索引用語 悪性黒色腫, 治療