セッション情報 ワークショップ1

タイトル 研-19:

白血球増多を伴った胆管細胞癌の1例

演者 猪狩 洋介(福岡大学病院 消化器内科)
共同演者 岩田 郁(福岡大学病院 消化器内科), 花野 貴幸(福岡大学病院 消化器内科), 平野 玄竜(福岡大学病院 消化器内科), 竹山 康章(福岡大学病院 消化器内科), 横山 昌典(福岡大学病院 消化器内科), 入江 真(福岡大学病院 消化器内科), 釈迦堂 敏(福岡大学病院 消化器内科), 早田 哲郎(福岡大学病院 消化器内科), 向坂 彰太郎(福岡大学病院 消化器内科)
抄録 50歳代の男性。検診の腹部超音波検査にて肝腫瘍を指摘されたため、精査加療目的にて当院へ入院となった。入院時の身体所見では、特記すべきものはなく、体温も36.2℃と正常であった。血液検査では、末梢血において白血球数10,100/μlと増加を認めた。白血球分画は正常であり、核の左方移動は認めなかった。赤血球数と血小板数は正常値であった。生化学検査では、Alb 3.1 g/dl、T.bil 0.6 mg/dl、AST 41 IU/l、ALT 65 IU/l、LDH 300 IU/l、ALP 1,554 IU/l、γ-GTP 348 IU/l、CRP 6.1 mg/dlと肝逸脱酵素の軽度上昇、胆道系酵素の著明な上昇、CRPの上昇を認めた。ウイルスマーカーはHBs抗原、HCV抗体ともに陰性であり、CEA、CA19-9、AFPなどの腫瘍マーカーはいずれも正常範囲内であった。腹部造影CTでは、肝右葉に径75 mm大のlow density area認めた。同部位は造影早期相、後期相ともにenhanceされず、辺縁のみがenhanceされていた。また、腫瘍の末梢側の肝内胆管拡張を認めた。胆管細胞癌を疑い、確定診断のために肝腫瘍生検を施行した。得られた組織のHE染色では、異型細胞が管腔様配列を呈しており、これらはサイトケラチン7の免疫染色にて陽性であった。以上、画像所見、肝腫瘍生検結果より胆管細胞癌と診断した。白血球増多とCRPの上昇といった炎症所見を認めたことから細菌感染症を疑い、その感染巣の検索のため画像診断や各種の培養検査を行ったが、有意な所見は得られなかった。また、セフェム系抗生剤の投与も行ったが炎症所見の改善はみられなかった。白血球上昇に関する因子として、血中の顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)とインターロイキン6 (IL-6)を測定したところ、両者とも高値を認め、腫瘍随伴症候と考えられた。しかし、腫瘍組織のG-CSFに対する免疫染色では、陽性所見は得られなかった。従って、本症例では、癌免疫に関連するリンパ球やマクロファージ由来のサイトカインが、白血球増多やCRP上昇といった腫瘍随伴症候を引き起こしたものと考えられた。
索引用語 胆管細胞癌, 腫瘍随伴症候群