| 抄録 |
胃MALTリンパ腫の治療はH.pylori除菌療法が第一選択とされるようになり、H.pylori陽性例では80%以上の治癒率が得られている。症例は52歳の男性。平成18年1月23日、上部消化管内視鏡検査目的で当院を受診して来た。内視鏡上、幽門輪上(胃十二指腸粘膜境界部)に中央がやや陥凹した長径約1.5cm大の隆起性病変(IIa+IIc様)を認めた。同部位の生検によりMALTリンパ腫が疑われ、2週間後の再検査でも強く疑われたため、2月18日よりLPZ+AMPC+CAMによるH.pylori除菌療法を施行したが3月22日の尿素呼気試験ではH.pylori陽性であった。同年6月22日の4回目の内視鏡検査では病変部にびらんを認め、組織学的にも増悪傾向がみられた。10月3日の5回目の内視鏡検査でも変化を認めなかったため、10月12日よりLPZ+AMPC+MNZによる二次除菌療法を施行した。約2ヶ月後の内視鏡検査では病変はほぼ治癒したように思われたが組織学的にはMALTリンパ腫の残存を認めた(Wotherspoon分類Grade4)。本年8月7日の内視鏡検査では内視鏡及び組織学的に治癒が認められた。胃MALTリンパ腫の除菌療法無効例に対しては、かつては外科的切除術が主流であったが、最近は化学療法や放射線療法が二次療法として施行されるようになり、良好な治療成績が得られている。本症例は除菌療法抵抗性病変が多いとされている隆起型で一次除菌療法に失敗、約8ヶ月後に施行した二次除菌療法で除菌に成功し、CRに至った。低悪性度胃MALTリンパ腫の一次除菌療法無効例に対しては、二次除菌療法を考慮するべきだと思われた。 |