セッション情報 一般演題

タイトル 66:

仙腸関節炎を合併した潰瘍性大腸炎の一例

演者 深水 理恵子(佐田厚生会 佐田病院 胃腸科)
共同演者 青山 祐二郎(佐田厚生会 佐田病院 胃腸科), 頼岡 誠(佐田厚生会 佐田病院 胃腸科), 八尾 恒良(佐田厚生会 佐田病院 胃腸科), 秋山 徹(佐田厚生会 佐田病院 整形外科), 毛利 正玄(福岡リハビリテーション病院)
抄録 症例は27歳女性。主訴は右臀部痛・歩行困難。H3年発症の潰瘍性大腸炎(全結腸炎型)の患者で、再燃寛解を繰り返していた。H19年3月半ばより、腰痛・右臀部痛が出現。徐々に増悪し、鎮痛剤の内服にて経過観察していたが、4月9日には歩行困難・体動不能となり、福岡リハビリテーション病院に緊急入院となった。WBC 14000/μl CRP 10.0mg/dlと高度の炎症反応を認め、潰瘍性大腸炎も再燃してきたため、翌日当院へ転院となった。入院時は歩行不能の状態で右側臀部を中心とした圧痛がみられ、翌日には38度の発熱も伴うようになった。また、血便・便回数の増加もみられ、中等度の潰瘍性大腸炎の再燃も認めた。MRIにて、両側の仙腸関節周囲に炎症像を指摘、またCTでは、仙腸関節部の硬化性変化とびらんを認め、仙腸関節炎と考えられた。潰瘍性大腸炎の腸管外病変と考え、ステロイド増量投与を行った。投与翌日には解熱し、仙腸関節炎の症状に加え、血便などの腸管症状も改善し、投与16日目で炎症所見も陰性化し退院となった。1ヵ月後に施行したMRIでは炎症範囲は縮小し、3ヵ月後には消失していた。HLA-typingでは、強直性脊椎炎でみられるようなB-57は陰性であったが、A24,A26,B52,B54が陽性であった。現在も外来にて経過観察中であるが、ステロイド減量中に腰痛が再燃してきたため、一旦ステロイド増量し、白血球除去療法を追加した。その後は再燃なくステロイド減量、中止が可能となった。強直性脊椎炎は潰瘍性大腸炎の腸管外病変として全体の0.3%に見られ、また、潰瘍性大腸炎の関節炎として、末梢関節炎と軸性関節症に分類されるが、仙腸関節炎は強直性脊椎炎と同様、軸性関節症に含まれる。一般的にステロイドが著効するが、白血球除去療法、抗TNF-α抗体などの治療も注目されており、本症例の経過とともに、文献的考察を加え報告する。
索引用語 潰瘍性大腸炎, 仙腸関節炎