セッション情報 ワークショップ1

タイトル 研-51:

内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)+アルゴンプラズマ凝固(APC)で治療した全周性早期食道癌の1例

演者 古賀 章浩(福岡大学筑紫病院 消化器科)
共同演者 高木 靖寛(福岡大学筑紫病院 消化器科), 長浜 孝(福岡大学筑紫病院 消化器科), 平井 郁仁(福岡大学筑紫病院 消化器科), 松井 敏幸(福岡大学筑紫病院 消化器科), 岩下 明徳(福岡大学筑紫病院 病理部), 大重 要人(福岡大学筑紫病院 病理部), 原岡 誠司(福岡大学筑紫病院 病理部)
抄録 【患者】69歳、男性。【現病歴】2006年7月、他院にて検診目的で上部消化管内視鏡検査を施行、中部食道に約6cmにわたる広い0-IIc病変を指摘された。本人、家族が食道温存治療を強く希望されたため2006年8月17日、当科紹介受診となった。【既往歴】糖尿病、高血圧、高尿酸血症で内服治療中。【生活歴】焼酎2合 40年間、喫煙20本 40年間。【内視鏡検査所見】門歯より27cmから32cmにかけて広い発赤した顆粒状粘膜を認め、ヨード染色では後壁側で一部全周性であった。【X線検査所見】病変は長径約6cmで、微細顆粒状粘膜を呈した。sm浸潤を示唆する変形は認めなかった。以上から全周性の表層拡大型0-IIc、術前深達度はm1-2と診断した。本人および家族に、内視鏡的切除+APC治療は姑息的治療であることのインフォームドコンセント(IC)を十分行い、治療はまずESDを行った。6時方向の腫瘍範囲が狭かったため、この部分を計画的に遺残させ、4/5周を切除した。1週間後、遺残させた部分に対してAPC焼灼を行い、さらに焼灼した粘膜を先端フードで鈍的に剥離した。【病理組織学的所見】切除標本の腫瘍径は60×35mm、中分化扁平上皮癌、深達度は大部分がm1,2、局所的に一部m3であった。脈管侵襲は認めなかった。【術後経過】ESD後狭窄に対して11回の内視鏡的拡張術を行った。外来で食事摂取しながら可能であり、QOLは良好であった。1年後、内視鏡的に局所再発、転移は認めていない。【結語】EMR+APC剥離術は、川田らや、Shoujiらの報告にあるように、特に高齢者の腫瘍径の広い早期食道癌に対して行われる姑息的治療である。本法は根治的ではないため十分なICによって行うことが必要であるが、高度狭窄や外科的切除を回避でき、高齢者や有合併症患者のQOLの維持に有効な治療法と考えられた。
索引用語 全周性早期食道癌, 内視鏡的治療