セッション情報 ワークショップ1

タイトル 研-10:

最近経験した肝細胞癌が発症した自己免疫性肝炎の2例

演者 中村 日奈(久留米大学 医学部 消化器内科)
共同演者 日野 照子(久留米大学 医学部 消化器内科), 井出 達也(久留米大学 医学部 消化器内科), 宮島 一郎(久留米大学 医学部 消化器内科), 黒松 亮子(久留米大学 医学部 消化器内科), 安東 栄治(久留米大学 医学部 消化器内科), 高田 晃男(久留米大学 医学部 消化器内科), 神代 龍吉(久留米大学 医学部 消化器内科), 佐田 通夫(久留米大学 医学部 消化器内科)
抄録 肝細胞癌(HCC)を発症した自己免疫性肝炎の2例を経験したので報告する。【症例1】58歳、女性。2005年自己免疫性肝炎の診断を受け、診断時すでに肝硬変の状態であった。HBs抗原、HBc抗体、HCV抗体はいづれも陰性であったが、肥満(BMI 29.8)、耐糖能異常(HbA1c 6.3%)が認められた。ウルソの内服にて経過観察していたが、トランスアミナーゼ値の上昇が持続するため、イムランの内服を開始した。イムランの内服後も効果は乏しく、トランスアミナーゼ値の軽度上昇が持続していた。2007年の腹部エコーにて肝内SOLが認められ、HCCの診断にてTAEを施行した。【症例2】62歳、女性。1991年に自己免疫性肝炎の診断を受け、プレドニンの内服が開始された。HBs抗原、HBc抗体、HCV抗体はいづれも陰性であり、背景肝は肝硬変症であった。その他、耐糖能異常(HbA1c 6.1%)が認められた。プレドニンの内服後もトランスアミナーゼ値の軽度上昇が持続していた。2006年10月の腹部エコーにて肝内SOLが認められ、HCCの診断にてRFAを施行した。【考察】自己免疫性肝炎からのHCCの発生頻度は少ないとされているが、これまでいくつかの報告がなされている。その中で、HCCの発症要因として、1)背景肝が肝硬変症である。2)ウイルス感染症の存在。3)免疫抑制剤の使用。4)脂肪肝、NASHの存在。が指摘されている。今回の2症例では、ウイルス感染症は否定的であったが、いずれも肝硬変症であり、持続する肝障害や耐糖能異常を認めた。【結語】自己免疫性肝炎においても特に背景肝が肝硬変症である場合、HCCの発症及び早期発見を念頭において、定期的な画像検査が必要であることが示唆される。
索引用語 自己免疫性肝炎, 肝細胞癌