| セッション情報 |
一般演題
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| タイトル |
59:スキルス胃癌との鑑別が困難であった胃サルコイドーシスの一例
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| 演者 |
永田 優子(公立学校共済組合九州中央病院消化器内科) |
| 共同演者 |
中原 束(公立学校共済組合九州中央病院消化器内科), 谷口 雅彦(公立学校共済組合九州中央病院消化器内科), 檜沢 一興(公立学校共済組合九州中央病院消化器内科), 北村 昌之(公立学校共済組合九州中央病院外科), 中守 真理(公立学校共済組合九州中央病院病理), 八尾 隆史(九州大学医学部形態機能病理学) |
| 抄録 |
症例は25歳女性。平成19年7月上旬より空腹時の心窩部痛出現し7月20日近医を受診、上部消化管内視鏡検査にてスキルス胃癌が疑われ精査加療目的に当院紹介入院となった。入院後に再検した内視鏡でも前庭部の粘膜腫脹と硬化所見を認め、上部消化管透視検査では前庭部の壁肥厚像および硬化像が著明でスキルス胃癌を疑う所見であったが、生検標本では類上皮肉芽腫が多発しており肉芽腫性胃炎との診断であった。腹部CT、エコー検査では前庭部の著明な壁肥厚像を認め、胃周囲リンパ節、腹腔内リンパ節の腫大も認めることからやはりスキルス胃癌疑いであり、Gaシンチ、PETでも胃と胃周囲リンパ節への有意な集積を認め、胃癌もしくは悪性リンパ腫が疑われるとの所見であった。確定診断のため内視鏡的粘膜切除術を施行したが、生検結果と同様に類上皮肉芽腫の多発を認め肉芽腫性胃炎の診断であった。この時点でもスキルス胃癌の可能性を完全には否定できなかったため、本人と相談し腹腔鏡下にリンパ節生検を施行した。腹腔鏡での胃の肉眼的所見では胃癌が疑われたが、鉗子で押すと胃前庭部はやわらかく弾力性に富んでおりスキルス胃癌は否定的であった。リンパ節の病理組織学的検査では、類上皮肉芽腫の多発を認めた。以上より、胃癌、悪性リンパ腫は否定的で結核、クローン病、梅毒、サルコイドーシスを鑑別診断として検討した。結核は乾酪性肉芽腫のないこと、ツ反陰性、クオンティフェロン陰性から否定的であり、クローン病との鑑別は下痢などがなく、経口小腸造影や大腸造影に所見を認めず、本症例の肉芽腫は多核巨細胞からなる類上皮肉芽腫で、大きく癒合傾向があることから否定的であった。血清梅毒反応は陰性であり、以上より胃限局性サルコイドーシスと診断した。現在のところ自覚症状は消失し、プレドニン30mg/日より内服開始し経過観察中である。9月10日の腹部エコー、MDLでは壁肥厚は改善し、腫大したリンパ節の縮小を認めている。スキルス胃癌との鑑別が非常に困難で胃限局性サルコイドーシスは極めて珍しく貴重な症例と考えられ、若干の文献的考察を加え報告する。 |
| 索引用語 |
胃サルコイドーシス, 肉芽腫性胃炎 |