セッション情報 一般演題

タイトル 169:

大腸腺腫内癌が先進して生じた逆行性腸重積の1例

演者 熊谷 好晃(直方中央病院 消化器科)
共同演者 田畑 寿彦(直方中央病院 消化器科), 浦岡 尚平(直方中央病院 消化器科), 新山 秀昭(直方中央病院 外科), 松本 主之(九州大学 大学院 病態機能内科学), 飯田 三雄(九州大学 大学院 病態機能内科学)
抄録 症例は76歳、男性。2007年2月20日頃から排便がなく、腹部膨満感、腹痛が出現したため2月24日当院受診した。同日撮影した腹部単純CTではS状結腸から下行結腸にかけて結腸内に脂肪織と結腸が認められ腸重積と考えられた。引き続き行ったガストログラフィンによる逆行性大腸造影ではSDjunction付近で先細り状に大腸が狭窄しており、造影剤は通過しなかった。2月27日の大腸内視鏡でも先細り様の全周性狭窄を認め、多少の抵抗を認めたもののscopeは無事通過し、狭窄部よりも口側には便貯留を認めた。抜去時の観察では粘膜浮腫、赤紫色の粘膜を認め、虚血性の病変が疑われたが明らかな腫瘤は認めなかった。内視鏡にてガイドワイヤを挿入したのちイレウス管を挿入し、狭窄部の口側及び肛門側から大腸造影を行った。狭窄部の口側にカニの爪様所見を認め、肛門側は先細り様の狭窄を認めた。腹部造影CTでは重積の先進部に径3cmの軟部腫瘤が疑われた。以上より肛門側から口側への逆行性の腸重積と診断し、3月1日S状結腸切除術を施行した。手術時には腸重積は解除されていたが、漿膜面に浮腫、壁肥厚、点状出血、びらんを認めた。手術標本の肉眼所見が、2.7×2.4cmの亜茎性隆起をみとめ、口側の粘膜は褐色調で浮腫状であった。病理診断は Adenocarcinoma in adenoma(進達度m)で、腫瘍径は2.7×2.4cm、腫瘍の口側は粘膜が脱落しており、粘膜下層を中心に炎症、出血、浮腫をきたし虚血性変化を呈していた。本症例は逆行性の腸重積で比較的まれな症例と思われ、若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 逆行性腸重積, 腺腫内癌