| セッション情報 | シンポジウム3 |
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| タイトル | S3-11:当院におけるB型肝炎の現状 -潜在性HBVキャリアの検討およびHCV共感染での影響- |
| 演者 | 西澤 新也(福岡大学 医学部 消化器内科) |
| 共同演者 | 釈迦堂 敏(福岡大学 医学部 消化器内科), 田中 崇(福岡大学 医学部 消化器内科), 猪俣 慎二郎(福岡大学 医学部 消化器内科), 上田 秀一(福岡大学 医学部 消化器内科), 森原 大輔(福岡大学 医学部 消化器内科), 松本 照雄(福岡大学 医学部 消化器内科), 阿南 章(福岡大学 医学部 消化器内科), 竹山 康章(福岡大学 医学部 消化器内科), 入江 真(福岡大学 医学部 消化器内科), 岩田 郁(福岡大学 医学部 消化器内科), 早田 哲郎(福岡大学 医学部 消化器内科), 向坂 彰太郎(福岡大学 医学部 消化器内科) |
| 抄録 | 【目的】HBs抗原陽性患者においては、本邦でも治療ガイドラインが作成されている。しかしながら、HBs抗原陰性かつHBc抗体陽性患者(潜在HB)の臨床経過や治療指針に関する報告は少ない。そこで今回、我々は潜在HBの頻度と肝発癌率の検討を行った。またHCV共感染患者での肝発癌率やIFN効果におよぼす潜在HBの影響についても検討した。 【対象と方法】当科において診療を行った肝疾患患者1366例を対象として、HBs抗原、HBc抗体、HCV抗体いずれかが陽性の患者1057例を抽出し、それぞれの肝発癌率を求めた。症例は5群に分類して検討した。 【成績】各群の症例数と、初診時に肝細胞癌が存在しなかった例での5年/10年/15年肝発癌率は以下の通りであった。 I群=HBs抗原(+)、HBc抗体(+)、HCV抗体(-):317例、7.3/9.7/10.6%。 II群=HBs抗原(+)、HBc抗体(+)、HCV抗体(+):10例、0.0/0.0/25.0%。 III群=HBs抗原(-)、HBc抗体(+)、HCV抗体(-):132例、4.9/6.6/7.0%。 IV群=HBs抗原(-)、HBc抗体(+)、HCV抗体(+):271例、13.5/22.3/26.3%。 V群=HBs抗原(-)、HBc抗体(-)、HCV抗体(+):327例、7.0/12.1/15.0%。 以上から次の結果が得られた。(1)潜在HBが高頻度に存在する。特にC型肝炎として経過観察されているHBs抗原陰性、HCV抗体陽性患者でのHBc抗体陽性率は45.3%ときわめて高率であった。(2)潜在HBも肝発癌に寄与する。HCVとの共感染では累積発癌率はIV群がV群より高かった(P=0.042)。またIV群35例とV群62例にはペグインターフェロン・リバビリン併用療法を行った。その結果、(3)SVR率は、serotype 1ではIV群(57.7%)がV群(39.5%)より高い傾向にあり、serotype 2ではIV群(55.6%)がV群(89.5%)より低い傾向にあった。 【考察】今回の検討では、潜在HBはきわめて高頻度に存在することが明らかとなった。潜在HBであってもB型慢性肝疾患患者に近い肝発癌率があること、またHCVとの共感染例では肝発癌率が上昇することが判明した。今後は、HBs抗原陰性であってもHBc抗体陽性患者においては、肝癌の高危険群として経過観察する必要があると考えられた。 |
| 索引用語 | 潜在性HBV, HBc抗体 |