| セッション情報 | 一般演題 |
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| タイトル | 98:悪性リンパ腫との鑑別が困難であった小腸多発潰瘍の1例 |
| 演者 | 坪内 直子(国立病院機構 鹿児島医療センター 消化器内科) |
| 共同演者 | 吉重 祐介(国立病院機構 鹿児島医療センター 消化器内科), 岩下 祐司(国立病院機構 鹿児島医療センター 消化器内科), 藤島 弘光(国立病院機構 鹿児島医療センター 消化器内科), 北園 巌(国立病院機構 鹿児島医療センター 外科), 宮崎 俊明(国立病院機構 鹿児島医療センター 外科), 藤田 浩(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 山元 隆文(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 井戸 章雄(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 坪内 博仁(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学) |
| 抄録 | 症例は56才、男性。主訴は腹痛と発熱。2004年頃より年に1~2回黒色便を自覚していた。2006年9月より腹痛と発熱が出現した。腹部CTで小腸の壁肥厚を認め、小腸造影で空腸に多発潰瘍が認められため、精査目的で10月30日に当科に転院した。高度の炎症所見(CRP 11.70mg/dl)と貧血(Hb 9.1g/dl)、低蛋白血症(TP 6.2g/dl)を呈し、可溶性IL-2レセプターは801U/mlと上昇していた。ダブルバルーン小腸内視鏡検査では、中部空腸に約2/3周に及ぶ2型の深い潰瘍を含む計6個の潰瘍性病変と、回腸末端とバウヒン弁上に空腸と同様の潰瘍性病変が認められた。生検では悪性の所見は認めなかった。PET/CT検査では、小腸を中心に多数の集積像があり、腸間膜リンパ節も腫大していることから悪性リンパ腫が強く疑われた。このため外科的切除を行なった。空腸を中心に9箇所の腫瘍性病変を確認し、Treiz靭帯から40cmの部位から205cmの部位までの小腸を切除した。すべての病変の病理組織所見がUl-3からUl-4の深い潰瘍を呈しており、炎症細胞の浸潤が認められた。しかし、リンパ球の異型はなく、免疫染色でも悪性リンパ腫は否定的で、最終病理診断は非特異性多発潰瘍であった。術後は栄養療法で経過観察中であるが、症状の再発はない。本症例は56才と比較的高齢で、発熱、高度の炎症所見の持続などの臨床所見、PETで集積を認めることなどからは悪性リンパ腫が疑われた。また、形態的、病理学的には単純性潰瘍に類似していたが、病変が主に空腸に存在することから、これまでに知られている小腸の潰瘍性病変に典型的でなく、診断確定が困難であった。本症例は小腸多発潰瘍の稀な1例と考えられたため若干の文献的考察を加え報告する。 |
| 索引用語 | 小腸多発潰瘍, ダブルバルーン小腸内視鏡検査 |