セッション情報 ワークショップ1

タイトル 研-28:

キノコによる幽門閉塞の一例

演者 足達 永(天神会 新古賀病院 消化器内科)
共同演者 中嶋 哲也(天神会 新古賀病院 消化器内科), 鉢峰 顕(天神会 新古賀病院 消化器外科), 上田 真信(天神会 新古賀病院 放射線科), 生野 夕紀子(天神会 古賀病院21 消化器内科), 中村 弘毅(天神会 古賀病院21 消化器内科)
抄録 【はじめに】消化管異物による消化管閉塞は様々な原因によるものが散見される。今回我々はシメジによる消化管閉塞症状を呈した症例を経験したので報告する。【症例】81歳男性、平成16年に十二指腸潰瘍の既往歴があり上部消化管透視で通過障害を指摘されていた。平成19年7月31日に突然茶色から黒色調の嘔吐が出現。食事が全く入らず、水分補給しては嘔吐を繰り返していたため8月2日当院を受診した。理学所見上、皮膚乾燥、口渇著明、腹部膨満感、心窩部痛、筋性防御・反跳痛なし。血液生化学検査にて炎症反応上昇、BUN/Crの解離、CK上昇を認めた。腹部超音波検査、腹部CTで胃の著明な拡張を認めたが、小腸の拡張像はなく、また明らかな閉塞機転は不明であった。緊急上部消化管内視鏡にて幽門輪部内腔は狭小化し、同部には「キノコ」が認められ、「笠」は胃内腔に、「いしずき」が球部に入り込んでおり、栓をした状態となっていた。把持鉗子を用いキノコを除去したところ症状は速やかに改善した。【考察】食餌性消化管閉塞の多くはこんにゃく類、海草類、餅、柿などの消化されにくい食べ物が小腸、特に回盲部で通過障害を起こす症例であるのに対し、今回の症例は十二指腸潰瘍の既往のため幽門輪狭窄を合併しており、幽門部で通過障害を起こした症例であった。本患者は2年前に幽門輪狭窄を指摘されており、このような患者はまずは十分な栄養指導のもと食事に工夫をして頂くことが望ましいと考えられた。症状を繰り返す場合には幽門輪形成術、もしくはバルーン拡張術を施行する事で症状の予防が可能であると考える。本例は十二指腸潰瘍による幽門輪狭窄があり、2週間前に食べたキノコが幽門輪に嵌頓した症例であり、内視鏡的に除去し速やかに症状改善した稀な症例であった。
索引用語 幽門閉塞, キノコ