| セッション情報 | ワークショップ1 |
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| タイトル | 研-49:胸腔内穿破型の特発性食道破裂に対して経腹的アプローチが有用であった1例 |
| 演者 | 増田 好成(宮崎大学 医学部 腫瘍機能制御外科) |
| 共同演者 | 日高 秀樹(宮崎大学 医学部 腫瘍機能制御外科), 佐野 浩一郎(宮崎大学 医学部 腫瘍機能制御外科), 前原 直樹(宮崎大学 医学部 腫瘍機能制御外科), 中島 真也(宮崎大学 医学部 腫瘍機能制御外科), 木梨 孝則(宮崎大学 医学部 腫瘍機能制御外科), 西田 卓弘(宮崎大学 医学部 腫瘍機能制御外科), 佛坂 正幸(宮崎大学 医学部 腫瘍機能制御外科), 千々岩 一男(宮崎大学 医学部 腫瘍機能制御外科) |
| 抄録 | 【はじめに】特発性食道破裂(Boerhaave症候群)は比較的稀な疾患であり、初診時の正診率が低く、早期に適切な治療を行わないと重篤化し、しばしば致死的となる。保存的治療が選択されることもあるが、穿孔部の閉鎖と十分なドレナージのため手術が行われることが多い。手術方法には経腹的アプローチと開胸アプローチがあり、胸腔内に穿破した場合には開胸アプローチが選択される。今回、左胸腔内穿破型の特発性食道破裂に対し、経腹的アプローチで破裂部の閉鎖と縦隔・胸腔内の十分なドレナージを施行し、良好に経過した症例を経験した。【症例】52歳、男性。飲酒後に嘔吐し、続いて激しい心窩部痛が出現した。近医の胸腹部CT検査で縦隔気腫と左胸腔内の液体貯留を認め、食道穿孔を疑われて当科を紹介された。食道造影検査で下部食道左側から造影剤の漏出を認め、その後胸腔内へ拡散した。左胸腔内穿破型の特発性食道破裂と診断し、発症から14時間後に緊急手術を施行した。開胸手術への移行も考慮し、上腹部正中から左第7肋間に向かうL字切開で開腹した。噴門および腹部食道周囲を剥離して食道裂孔を開放し、縦隔内に漏出した食物残渣と混濁した黒色の貯留液を吸引した。破裂部は吸収糸を用いて一期的に縫合閉鎖し、被覆術は行わなかった。食道裂孔前面の横隔膜を約1cm切開して縦隔内を5リットルの温生食で洗浄し、続いて吸引管を食道裂孔から左胸腔内へ挿入し、可及的に内容物を吸引した。左手を経裂孔的に左胸腔内へ挿入し、それをガイドにして左第7肋間から28Fr.のthoracic tubeを挿入した。食道裂孔から左胸腔内へ温生食(総量12リットル)を流し込み、左手で胸腔内を十分撹拌してthoracic tubeより吸引した。縦隔と左胸腔、左横隔膜下にそれぞれにドレーンを留置して手術を終了した。手術時間4時間、出血量150ml。術後合併症なく経過し、第11病日より食事を開始、第20病日に退院した。【まとめ】胸腔内穿破型の特発性食道破裂に対して経腹的アプローチによる手術は、低侵襲で有効な方法であると考えられた。 |
| 索引用語 | 特発性食道破裂, 経腹的アプローチ |