セッション情報 一般演題

タイトル 94:

転移性小腸腫瘍の1症例

演者 木梨 孝則(宮崎大学 腫瘍機能制御外科)
共同演者 日高 秀樹(宮崎大学 腫瘍機能制御外科), 西田 卓弘(宮崎大学 腫瘍機能制御外科), 増田 好成(宮崎大学 腫瘍機能制御外科), 内山 周一郎(宮崎大学 腫瘍機能制御外科), 長池 幸樹(宮崎大学 腫瘍機能制御外科), 佛坂 正幸(宮崎大学 腫瘍機能制御外科), 千々岩 一男(宮崎大学 腫瘍機能制御外科)
抄録 【はじめに】転移性小腸腫瘍は比較的まれで早期診断が困難であるために、穿孔、腸重積などで緊急手術となることが多い。原発臓器としては肺が最も多く、その予後はきわめて不良とされている。今回、下血を契機に診断された転移性小腸腫瘍を経験した。【症例】67歳、男性。主訴は下腹部痛、下血。遠隔転移(脳・骨)を有する原発性肺癌に対して当院内科で化学療法を開始され、2クール終了後に暗赤色の下血を認めた。胃および大腸内視鏡検査を施行したが明らかな出血源は確認できず、その後は新たな下血は認めなかった。3クール目の化学療法中より再び断続的に下血が出現したため、小腸出血を疑ってダブルバルーン小腸内視鏡検査を施行した。回腸に血液で覆われた隆起性病変を認め、今回の出血源と考えられた。検査後左下腹部痛が出現したため腸管穿孔を疑って、腹部CTを行ったところ小腸および腸間膜に多数の腫瘍性病変を認めた.明らかな遊離ガス像はなかったが、一部腸重積によるイレウスの所見も認めたため、当科へ転科し緊急手術を施行した。開腹時血性腹水を認め、小腸壁および腸間膜内に多数の腫瘍性病変を認めた。これらは転移性小腸腫瘍と考えられ、後腹膜への浸潤も認められた。根治手術の適応はなく、出血や閉塞の可能性が高いと思われた4箇所の腸管を切除した。切除した腸管は病理組織学的検査で全てNeuroendocrine carcinoma, metastaticと診断された。術後経過良好で4日目より食事摂取可能となり、11日目に内科へ転科した。術後1ヶ月の腹部CTで小腸および腸間膜の腫瘍の増大を認めた。化学療法の変更も考慮したが、本人の希望により、37日目に緩和ケア目的で転院した。【考察】転移性小腸腫瘍を有する例は全身的な転移を有する場合が多く、小腸転移巣の切除は予後の向上には寄与しないが、QOLの改善には意義があると考えられた。
索引用語 小腸腫瘍, 小腸出血